「あっ、扇風機だー! 鵠沼クン扇風機出したんだ!」
「最近あっちーじゃん? やってらんなくてよ」
「つけていい!?」
「どうぞご勝手に」

 大学に近い部屋の宿命とは、何もイベントの会場になることだけではないと知る、今日この頃。空いた時間には、誰かがこうやって遊びに来ることもしばしば。今日は三浦か。
 この扇風機は、伊東サンが1人暮らしを終えて使わなくなった物を譲り受けた。それこそサークルに入ってすぐの頃に。そんなすぐ要るかなって思ったけど、必要だった。5月なのにクソ暑い。