「回せー! 風を通せー!」
「あーっつー! むさっ!」
いつからあるのかわからないロートルの扇風機がけたたましい音を上げて回っている。窓も全開。夏だというのに締め切っていたサークル室から、蒸された空気が一気に放たれる。
机の上には大量のゴミ。うまい棒の袋だ。それらをゴミ袋に回収しながら、祭りなのか戦いなのか……その余韻を消していく。思えば随分くだらないイベントだった。ホワイトボードにあった大会要項などの文字も、圭斗がばっさりと消してしまった。
「菜月先輩圭斗先輩、お茶がまだ残っていますが飲まれますか?」
「飲む」
「ん、いただくよ」