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【SSS】こみ上げる笑みの謎

「ふふ。ふふふ」

 何というか、あるべき場所にあるべき人がいるっていうのはいいことなんだろうけど、久々に見るヒロさんの薄ら笑いにAKBCは揺れていた。つかヒロさんのテンションが高いとかマジパねえ!

「宏樹、薄ら笑いが気持ち悪いぞ」
「朝倉に理解してもらわなくて結構」


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【SSS】限界のライフラッピング

「おい高木、おい! 起きろっていう!」
「う〜ん」

 星港市の郊外、ベッドタウンとして栄える町に高木は住んでいる。10階建てのマンションはエントランスがオートロック式で、高木の部屋はその6階にある。緑ヶ丘大学までは電車とバスを乗り継ぎ45分。通学より生活を優先した結果の立地。
 オートロックなのを信用しすぎるのか本人がだらしないのか。いや、後者だな。高木は玄関の鍵を閉めずに寝ることも多々ある。今日も例に漏れず玄関の鍵は開いていて、念のため借りていた合鍵の出番はなかった。


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【SSS】the biggest reason

「それではみんな、機材等の撤収が無事済んだところで」

 各々のトレーを前に、全員で手を合わせる。圭斗先輩の号令で、一斉に「いただきます」の挨拶を。
 今日は向島大学のオープンキャンパスだ。ちなみに今現在も体験講義などの行事は行われている。俺たちMMPは昼食時の学食で2時間ほど公開生放送をさせてもらっていた。それが終わって一段落。みんな昼食はまだだったのだ。

「ところで菜月先輩、そろそろ教えていただいてもよろしいでしょうか」
「ん、そうだね。そろそろいい頃合いじゃないかい?」
「人が物を食べてる時に喋らせるな。まったく、空気を読めない奴らだ」


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【SSS】今日を戦うための金棒

 映研では学祭で公開する短編映画の撮影に入っていて、秋学期が始まるまでが撮影の勝負時。あたしは今回の作品の脚本家として、毎日出て来て監督先輩と話し合う日々。
 制作が立て込むと徹夜になることもある。それは別にいいんだけど、それよりも大きな問題があって。今回はエキストラの人にも出てもらっている。外部からも募集をして、幅広く。そのエキストラさんが、ちょっと。
 背が高くてイタリア系の男の人が、やたらあたしに絡んで来る。綺麗な女の人にナンパしてたから、監督先輩に言われて注意したらあたしがその人を好きなことにされて。しかも脚本にもケチをつけて来るし。特別に教えてあげていいよとか言われても、結構ですって感じだし。


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【SSS】7割オアシスと束の間の憩い

「うーん、まだ復活しないなあ」

 自動販売機には、赤く「売り切れ」の文字が点々と。そして、飲料メーカーからのお知らせとして「この猛暑で品薄になっちゃって、自販機までなかなか回らなくてゴメンね」というような張り紙がされている。
 俺が飲みたかったのはデカビタCの缶。だけど、これはずーっと前から売り切れのまま。前までは3列で展開されてたんだけど、いつの間にか自販機自体がコーヒーに埋め尽くされちゃって、デカビタも1列に縮小された挙句この猛暑での品薄。
 元々スーパーかドラックストアで500ミリのペットボトルで買って来てるからいいんだけど、残業になると心許ない。いつになったら自販機の品物がちゃんと埋まるのかなって思っちゃうよね。


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