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嘘ではないけれど、本心とは限らないよ。

シフトを出そうと
手帳を開いた時の話


私は、手帳の後ろあたりにある
フリーページに 好きな言葉や
心に響いた言葉を書く癖がある

今年も、たくさん
好きな言葉を見つけれたな
と、眺めていた

次のページは、空白な筈なのに
文字がうっすら写っているのに気がついた

ページをめくると汚い字で
今年は、ふかみんと結婚する!
君が笑うから、僕も笑うんだ!
と、書いてあった

恐らく、好きな人にやられれば
嬉しい気持ちになったのだろう

ここを誰にも教えないように
心の内は、正直 誰にも言いたくない

少し嫌悪感を感じた

あいつは、どのタイミングで
私の手帳を触っていて
私の大事なものを勝手に覗いて
更に、メッセージまで
ご丁寧に書き記して

普通、好奇心で手帳を覗いたとしても
見た事は自分だけの秘密にするとか
書き殴ってある文章については
触れないことが、御法度ではないか

それを御法度だと思うのも
私の価値観なのだろうけど

全部 見られてしまったと思うと
恥ずかしいし

相手が私を見る目が
変わってしまうのも嫌だ




ふかみん
「おはよう」

シフトを出そうと
手帳と睨めっこをしている私の頭を
後ろから、ぽんぽんと叩いてきた



「おはようございます」

通常運転を心掛けて
いつも通りの笑顔で返した



本当は「勝手に手帳、触るなよ」って
言ってやりたかったが

それを言うことによって
私は、あなたが綴ったメッセージを
読みましたよ
と、言っているようなものなので

私は 意地悪だから
敢えて言わない選択を



ずっと、こちらへ視線を送ってくる
痛い程に私に刺さる視線


「なんな(笑)」

ふかみん
「んー、なんでもないですけど」

触れて欲しそうな態度
絶対 触れてやんない
目線も合わせてあげない

なんなら、いつもより
素っ気なく接してやる



ふかみん
「今日の猫柳さん、冷たいー」


「冷たないって」

ふかみん
「ベッドの上でだけですか
にゃんにゃんしてくれるのは(笑)」


「二度とそのセリフ言うな、殺す(笑)」



寂しそうな顔、ムカつく

その顔すれば 可愛いから
みんな許してくれる
なんて思ってそうで
本当にムカつく

男のくせに綺麗なまつげ
男のくせに綺麗な二重
男のくせに可愛い顔

※但しデブ




ふかみん
「猫柳さんの性癖は
誰にも内緒にしといてあげますから」


「言うたところで
引かれるの君も一緒やで
お互いにメリットある
ただの性の一致な関係なだけで」

ふかみん
「僕のどこが好きですか?」


「強いて言うなら
お金をたくさん持っているところ
それから性の一致、以上」

ふかみん
「僕仕様にするのが、ほんま楽しみです」


「君仕様には、ならないよ
他の人が困るじゃない」

ふかみん
「僕以外とヤる気満々すか」


「良いのが居れば
そっちに乗り換えるだけ
なので、良い娘が居てたら
どうぞ 乗り換えて下さいね」

ふかみん
「なんで、そんな言い方するんですか」


「執着しないように」

最後の玩具も壊れてしまって。


「結局さ、二人きりでデートすること
一回もなかったね」

しまたにさん
「そうですねー、、、」



見上げた星空は
寒く澄んでいて、星が何個か見えた




「都心大阪でも、たまに星見えるんだね」

しまたにさん
「ここは少々田舎なので」





「卒業おめでとう」

そう言って、タバコと手紙を差し出した

彼は苦笑いしながら

しまたにさん
「ありがとうございます
でも、僕ね、タバコ辞めたんですよ
猫柳さんに言いそびれたんですが
実は先月、彼女が出来まして」




ああ、女の影響てやつか





「そうだったんだね!
知らなかったよー
卒業も、彼女も
ダブルでおめでとうじゃない!」

しまたにさん
「だけど、このタバコ飾っておきます
いつでも猫柳さんを思い出せるように」





「もう思い出してくれなくてもいいのに」

しまたにさん
「猫柳さんも、結婚するんでしょう?
風の噂で聞きましたよ」


「どーなんだろーね、分からないや」





しまたにさん
「約束果たせなくて、申し訳ないです」


「そんなの冗談に決まってるじゃん」






息をする度、冷たい空気が
器官にチクチク刺さった





「私、しまたにさんのこと好きだよ」

しまたにさん
「ええ、僕もです」





お互いに30歳を越えるまでに
恋人が出来なかったら、結婚する予定だった

彼といる時間は、楽しかった
職場が離れて、溝が出来たのも感じていたよ

冬は切なさが
夏より少しだけ増す気がする





「じゃあ、また遊んでね」

しまたにさん
「幸せになってください」




最高のバッドエンドじゃないか

これでお互いゲームオーバーだね


都会の街の人混みに
私は、吸収されたく思ってしまった
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