また一段と寒くなり、もうファンヒーターだけでは限界。こたつの季節だ。何だか今年は冬になるのが早い気がする。
私めは依然として、いつもの不調に加えて風邪気味で頭が痛い。メールとか溜まってるけど、返信はもうちょっと待っててくださいまし。長い文章に時間がかかるようになってしまったのだ。こんなんでいつか仕事復帰することになったら執筆できるだろうか?(笑)
さて、久々に映画レビューでも書こうか。最近、日本映画ばっかり観ているとお思いのあなた、今回もなんと日本映画です!(笑)いや、洋画も観ているのだが、ヨーロッパの官能映画ばっかりなので自重しているのさ(笑)。
今回は『信さん 炭坑町のセレナーデ』。昭和の匂いがする作品ですぞ。
昭和38年(1963年)、離婚を機に福岡県の離島の炭坑町に小学生の息子・守(池松壮亮)と共に帰って来た美智代(小雪)はある日、悪ガキたちに囲まれた守を助けてくれた少年信一に出会う。美智代は“信さん”と呼んで優しく抱きしめる。信さんは町中の厄介者のように扱われていて孤独だったが、美智代の優しさで変わり始める。成長した信一(石田卓也)は家族のため、働き詰めの暮らしの中、美智代への恋心を秘めていた。
大人になった信さん役に石田卓也さんが演じているんだけど、この人はいつもいいお芝居していて私の中では好きな俳優の一人。今回も若い頃のショーン・ビーンを彷彿するようなお芝居だった。二十歳年上の美智代との恋と、家族のために稼がなきゃと生きる姿がすごく良かった。小雪さんも色っぽいお芝居でなかなかであった。
炭鉱というと、福島人からしたら常盤炭鉱のことが真っ先に来るが、『フラガール』とは違った視点で炭鉱の街を描かれている本作。貧しい庶民の暮らしや人の生々しさを丁寧に描いている。同じ時代を描いた『ALWAYS三丁目の夕日』は同じ庶民でも都会の、わりとお金がある人たちの綺麗なお話だったが、『信さん 炭坑町のセレナーデ』の方がリアリティーがあって嘘がないのがいい。
例えば、その辺のオジサンがステテコ一枚で涼んでいたり、刺青の人たちがいたり、人前で平気で子どもを引っぱたくオバサン、汚い格好の子どもたち。貧相なトタン屋根の木造住宅。昔見たような景色がたくさん出てきます。
信さんの母親役の大竹しのぶさんがいちばんリアリティーあったかも。炭鉱で働いてた夫(光石研)が肺を患い不慮の死をして、そのあとも波瀾万丈。信さんと秘めた恋をする美智代に対してよく思わない。とにかく精一杯の母親を熱演。
やがては石炭の時代が終わりを迎え、町の住民たちは島を去っていく。時代の流れを一人ひとり丁寧に、上手に描いていた。この作品の監督と脚本は『愛を乞うひと』の人たちと知り納得。リアリティーを徹底的に追求し、わざと感動させようとかしないで作った感が良い。久々に名作に出会った気がする。
たくさんの拍手ありがとうございました
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