TSUTAYAカード更新のついでにレンタルしました。
邦題ではGRAVITYで、
ゼロ・グラビティという日本でのタイトルに賛否両論。ですが、ストーリーの殆どが無重力空間なのでワーナー・ジャパンはネタバレに考慮しただけなのかも知れません。
舞台は宇宙空間。空気も無い、重力もない、そんな中で船外活動をする宇宙飛行士。
主役はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニー2人しかいません。サンドラ・ブロック演じる本職は物理学者で操縦は素人って設定が主人公という選出が憎い。
これで視点ががジョージ・クルーニーだったら(彼ならこんな危機的状況を何とか出来るんじゃないか)とか思ってしまう。
スペースデブリ(宇宙ゴミ)によって船外活動中に放り出されたサンドラブロックのパニックぶりがカメラワークによって見事に視聴者に共感覚させる。
そして無重力空間では体も制御出来ないという恐怖。
ジョージ・クルーニーによって救助されるも宇宙服に残された酸素は残り僅か。呼吸音が見てる方まで息苦しくなる演出です。(この映画はBGMが殆ど存在せずそれが余計緊張感や孤独感を引き出してます)
命綱一本で繋がれた2人は誰も助けに来ない絶望的な状況の中とりとめのない話で気を紛らわせる。
ジョージ・クルーニーがお喋り好きだけど思慮深く冷静で頼る男っぷりに不覚にもときめいたのは私だけでしょうか……(笑)
ようやく辿り着いた国際宇宙ステーションで地球へ帰還を試みるもジョージ・クルーニーと離れ離れになってしまうサンドラ・ブロック。だが、次から次へと危機が襲い掛かり、果たして生きて地球へ帰還を果たせるのか。
といったストーリーは至ってシンプルです。
若干ご都合主義な展開の物語ですが(消火器で宇宙空間内での制御をしたり)ジェットコースター映画なので細かい粗探しや突っ込みはなしにしましょう。
この作品の本当のテーマは『生きねば』です。
風立ちぬよりずっと生と死を真摯に描いてる。
サンドラ・ブロック演じるライアンは娘を亡くし生きる希望を失いかけている孤独な女性。
だから安易に死を選ぼうとする。死ぬのは怖いと震えながらも。要するに娘の死から逃げていたんですね。
でも絶体絶命に追い込まれた間際幻覚で見たジョージ・クルーニー演じるコワルスキーの言葉に諭され、生きて地球に戻るという強い意志を持つようになります。
ライアンの中に残っていた諦め切れない気持ちが彼女自身ではなくコワルスキーの姿を借りて現れたと私は解釈しています。
鑑賞後は地球の重力に感謝間違いなしでしょう。

ハラハラ度:★★★★★
浮遊感度:★★★☆☆
宇宙行きたくなる度:★☆☆☆☆