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アマヤドリ

「あいつ、遅いな」
ジェクトは天を仰いで途方に暮れていた。
雨音は止む事もなく水粒は降り続けている。ブラスカ様が濡れたら風邪を引いてしまいますから、と遺跡に雨宿りをさせたアーロンは雨具になりそうなものを探しに行ってしまった。
「心配しなくてもその内戻って来るさ」
ブラスカは雲に覆われた暗い空を見上げもせず待っていた。ジェクトが唇を尖らせて返す。
「別にそんなんじゃねぇし……大体オレが心配したって、アーロンはブラスカが第一だろ」
ジェクトの言葉にブラスカは目をぱちくりさせた。暫くきょとんとしていたが意味を理解したらしく苦笑を浮かべた。
「そうかもな−−・・・彼は私に気を遣い過ぎている」
ブラスカがそれを咎めない事に不満がある訳ではないが、ジェクトからすればガードのすべき範囲を超えている所が滑稽だった。
「アーロンの奴ブラスカに陶酔しきりだな」
皮肉のつもりではないがブラスカは罰の悪そうな顔になってしまった。
黄昏たような表情にジェクトも余計な事を口にしてしまったと反省する。
「あの子には家族がいないんだ」
ブラスカがぽつりと語る。ジェクトは気まずくて黙った。
「『シン』で故郷を奪われ全てを失った彼を私は受け入れた。だからアーロンは私を必要以上に尊敬しているんだ。私はそこまで聖人君子でもないのにな」
だからこそブラスカを失いたくないと自分自身の事すら省みず前線に出て戦うのだろう。誰の力も借りずに、だ。
ジェクトは少しでもオレを頼ればいいのにと思いかけて、やめた。アーロンから信用を得られてない以上余計な苦労を買って出る必要もない筈だ。
「でもアーロンにブラスカの事ばかり考えんのやめろなんて冒涜だろ」
悔し紛れの台詞にブラスカはからかうように笑う。
「……おやジェクト、私に嫉妬しているのかい?」
「ちげぇよ!」
慌てて出た否定に違和感を覚えたのはアーロンが皮のコートを持ってやって来てからだった−−・・・。意味もなく投稿。ブラスカ様とアーロンの出会いは全く語られていないので色々と妄想してしまいますな。

記憶喪失ネタ

そういえばサイトにある小説作品の中に記憶喪失ものがないのですが、やはり二次創作では鉄板なのでしょうかね。書いてみたい気持ちはあるのですが、自分が執筆すると暗い話にしかならなさそうな気がしています。
ジェクトとアーロンの事は覚えているのに使命の事だけ忘れてしまったブラスカ様とか。でも結局フリだったというオチしか浮かばないです(それもそれでありきたり過ぎて)アーロンはこれ見よがしに旅をやめさせるか、それとも無理矢理記憶を戻すか、の両極端になりそうです。一方のジェクトはブラスカを寺院とかに連れて行って思い出話をして根気よく辛抱強く記憶が戻るまで付き合ってやるタイプではないかと。アーロンがあまりに端的だから、必然的にそうなってしまうだかで、若アーロンではなく渋アーロンならまた違った行動をしてそうですね
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