時雨れた雨が毎日降っている。北風の冷たさがより一層厳しくなってきた。季節の移ろいはめまぐるしい。

 秋は毎年『赤毛のアン』を読み返してきたけど、今年は開かずに終わった。アン・シャーリーもマリラもマシュウもギルバートも元気だろうか。グリーンゲイブルスはマリラの作った料理の匂いがするだろうか。本を開けばほっとするだろうなあ。
 『赤毛のアン』は三部作になっており、第一作『赤毛のアン』、第二作『赤毛のアン アンの青春』、ギルバートとの結婚後を描いた第三作『赤毛のアン アンの結婚』があるけど、私は『アンの青春』までが好き。孤児院で育ったアンがプリンスエドワード島の美しい家グリーンゲイブルスのマシュウとマリラ兄妹と暮らしてから、失敗と学びを通して成長する過程やプリンスエドワード島の豊かな風土と人々の暮らしは毎回感動を覚える。マリラが作るワインや美味しそうな料理はとても魅力的。
 アンが成長し、教師をしながら小説家を目指すのは私と重なる。そして、幼馴染みのギルバートとの恋にはとてもヤキモキする。やがて二人は『アンの結婚』で赤十字で別々に従軍。過酷な戦地でお互いの安否もわからず、ただただ自分の役目を果たしていく。戦争という暗い影が押し寄せ、プリンスエドワード島の穏やかな暮らしとは全く違う様相になるのが悲しくて読み返すのも嫌になる。しかし、彼らは時代とともに生きた。強く生きていた。『赤毛のアン』の魅力はそういう強さも感動を呼ぶのだ。
 こんなことを言ったらおこがましいけど、いつか私もモンゴメリーの書いた『赤毛のアン』みたいな小説を書くのが夢。叶うかな?今のところ難しいな(笑)。


 そんなこんなで、もうひとりの憧れの人、向田邦子先生のお誕生日。私も彼女のような鋭い洞察力を持ちたいし、良いものを書きたい。









  
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