時代劇専門チャンネルでまた『必殺からくり人富嶽百景殺し旅』が放送されてるんだけど、久々に観て改めて沖様演じる唐十郎がセクシーだと思った。
 元は板前で恋人を強引に奪われた腹いせに殺人を起こした過去がある唐十郎。ひょんなことから、裏では仕置き屋の旅芸人一座の出雲太夫一座に仕置きするヒントを葛飾北斎から絵を預かり、一座へ中継ぎする役目に。唐十郎自身も瞬間屈伸式釣竿で仕置きする。赤い手袋をはめて仕置きする姿がセクシー。動きが俊敏だし、ハートが温かい。

 第五話『本所深川』では、ラストで盗人だった老人の元で盗みを働くみなしごの子どもたちに真面目に生き、夢を大事にしようと力強く声をかける。
「 夢ってのは大切にしなきゃいけねえよ。その夢にかけた梯子が泥の梯子だったら、登ろうとす るおめえたちまで汚れっちまうんだぜ。 盗んだ金じゃ夢は買えねえんだ。悪い奴らの血で汚れた金じゃ絶対に夢は買えねえんだぜ。わかったか?よしっ、肩組め!さあ、こうやって六人力を合わせりゃ何だって出来るんだ。夢ってのは銭で買うもんじゃねえ」
 そして、子どもたちに財布を差し出す唐十郎。しかし子どもたちは施しは受けねえと言う。 「馬鹿野郎。いいか、こいつはやるんじゃねえ貸すんだ!俺は人に金を恵んでやるほど金持ちじゃねえや。おめえたちが大人になったら、どこに行ったって必ず取り立てにいくからなっ!」
 口少ない唐十郎さんがこんなにも熱い(笑)。山田五十鈴さん演じる座長のお艶もすっかり唐十郎さん、唐十郎さんって頼りにしてる。『必殺仕置屋稼業』の市松にそっくりだけど、よく見ると眉毛が唐十郎の方がご立派。市松は遊び人に対し、唐十郎は堅気。セリフの言い回しもまったく違うから、やっぱり沖様ってすごいって話になる(笑)。