スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

見/た/パ/ロ

家/政/婦/は/ミ/タ/パロ。
放送局、及び作者様とは一切関係ありません。
非公式


家/政/婦/は/見/た/パ/ロ

三田→三田。
阿須田→浅田

ざっとしたあらすじ。
三田は、家政婦として、浅田家にやってくる。
三田は媚びない・笑わない・まるでロボットのような家政婦だった。

崩壊しかけていた家族は三田と対峙していくうちに、絆を取り戻し、本物の家族となっていく。
不器用で、でも、本当は浅田家族を思っている三田。
次第に三田は感情を取り戻していく。

家族はやがて、そんな三田とずっと一緒にいてもらいたい、と願うようになる。
三田の笑顔をなくした謎。
それは、家族が想像していたよりもずっと辛いものであった。

三田の昔付き合っていた恋人の死と、その時言われた言葉。
その言葉があり、三田は笑顔をなくしたのだ…。

三田となんとか一緒にいて貰いたいと思った次女は、三田に「お母さんになって」と強請り…。
more...

ブサイクちゃんの初恋

「ブス」

女でもないのに、俺の初恋はその言葉で終わった事がある。
ブス、嗚呼ブス。
そのときは悲しいという気持ちよりも、何故不細工じゃなくブスなんだろうと思ったくらいだった


 俺の名前は松風響。
男好きのゲイだ。

それも男以外好きになった事がない、筋金入りのゲイである。

ただのゲイではない。
俺の初恋相手も「ブス」といっていた通り、俺の顔は大変いただけない。

俺は不細工なのだ


ギョロ、とした爬虫類のような目に、厚い唇、潰れた鼻、極めつけはややぽっちゃりとした体型の為、顔もプクプクしている。


はっきり言おう、俺はブスだ。不細工だ。

女も男も、ちょっと…と躊躇してしまうような顔なのだ。


 不細工。俺はちゃんと自分が不細工だと弁えている。
だから、ちゃんと不細工なりの恋をしている。

不細工なりな恋ってなにかって?


それは…どんなに恋をしても諦める事だよ。







「んー、大丈夫だって!絶対、絶対あいつはお前の事好きだって!」

「ん…、でも…」

「元気だせって、な…?」


ウルウルと涙目で見つめてくる友人を必死に慰める俺。

友人は可愛い。
はっきりいって、美少年といっていい。

俺と並んでいたら、余計その美貌が引き立つ。
こいつは俺と違って、可愛い顔をしており、ファンクラブなんかもあるそうだ。
だけど性格は非常に内気で、健気。
見ているこっちがほわ、としてしまうほどの癒し効果がある


「…ありがと…響ちゃん…」

にこ、と微笑まれて、俺も笑みをかえす。

ただし俺の笑みは大変残念なモノだけど。

ああ、可愛いなぁ。
俺もこんな風だったらなぁ…

なんて、叶わない願いに思いをはせる。


「よぉ…、ーブス」
「あ…、本城くん…」

ほわほわ癒されていた時を壊すように聞こえた声。ギクリ、と身体が固まる。

ゆっくりと振り返れば、厭味なくらい、すかしたイケメン。

本城司がいた。

「ブスが天使ちゃんに近づくんじゃねぇよ…」

司はドカリ、と俺の隣に座る。
そして俺の目の前に座る天使ちゃん事友人に笑顔を向ける。


ああ、なんて言おうか。

幼なじみの司は天使である友人が好きだったりする…、そして司は俺の初恋の相手でもある。


「天使ちゃん…」

にこにこと幸せそうに友人に喋りかける司。

人見知りな友人はちょっと困った顔をしながら、それに返している。

全く司め…俺がいる時を狙って声をかけるんだからな…。


友人は人見知りであり、俺と一緒にいないとほぼ声もかけられない。かけた途端、硬直するからだ。

友人に声をかけられるのは、俺を除き友人の恋人くらいなもんだ。


司はそれを知っているから、俺が友人と喋っている時を狙って声をかける。

友人はラブ×2な彼氏がいるっていうのにさぁ。

ほんと、不毛だね。


ふぅ、とため息一つ。

司は俺の初恋。
初恋で、たまに昔を思い出して、見惚れる事もあったりする。

でも、恋はしない。

だって、俺不細工だから…サ。

 それに、不細工は不細工なりの美学がある。

そう、心まで不細工にならないっていう美学が!


「おい…ブス…ブス」
「え…」

ぷに、と摘まれた頬。
い、痛い…

いつの間にか友人は消え、俺は司に頬を摘まれている。痛いんデスケド…。


「司…」
むってして司を見つめれば…

「不細工な顔…」
司はクスリと笑った。


不覚にも俺の胸は大きく一つ跳ねた。
<<prev next>>