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【薔薇ノ木】傍にいる(土田×あずさ)

小間使いのあの人が他の誰かとくっついた。

そう聞いたのはいつだったか。
その時話をしてくれた先輩は少し苦しそうな、悲しそうな顔をしていた。

一瞬だけ。


ねぇ…先輩。
貴方のその綺麗な心、その心が欲しい…
そんな事言ったらおこる?




「先輩…」
「ん…」
「ドイツ語…難しいね…」
「…ああ…、日浦」
「なに…」
「この…体制は…」
「ん…?」

小首を傾げながら、なに?と聞き返す。
ちなみに今の恰好は僕が先輩の膝の上にいて、先輩の首に腕を回して、擦り寄っているの。


「先輩」
「火浦…」
「好き…だよ…」

ちゅ…、と口づけする。

「…先輩も返して?僕のキス…」

そういえば先輩はム、と一瞬眉間を寄せてから口端にキスをする。

相変わらず、ぶっきらぼうで、無愛想。でもね…


「先輩…顔赤い…」

最近は…先輩のささやかな変化、見られるようになったんだ。


からかうな…といいつつ、照れくさそうにそっぽむく先輩。

真面目で堅物で…優しい先輩


僕はそんな先輩に甘えながら、夜どうやって先輩を誘おうか考えていた……。

【薔薇ノ木】純愛、(土田×真弓)

助けてほしい…
どんなに願っても願ってもその願いは叶わなかった。


貴方に、出会うまでは。



 貴方が日向さんをすきだって事はすぐにわかった。貴方が切ない目で日向さんを見ていたから。


それでも僕は、先輩が好きで好きで。


汚れた身だとわかっていたのに、先輩に告白し、抱いて貰った。


先輩は僕の気持ちを勘違いだというけれど

でも先輩を見ているだけで、こんなにも胸が痛む気持ちは、けして勘違いなんかじゃないと思うんです



ねぇ…先輩


貴方をずっと…


愛しく思っていいですか…。

【薔薇ノ木】貴方と三人で(水月×要)

 不思議な縁だと思う。
僕と先生…レイフとの関係は。


先の戦いで外国に渡った僕等は日本を離れ、そのままレイフの故郷に移住を変えた。

最初は馴れないし、文化も違う事もあって、戸惑う事の連続だったけど今はだいぶ馴れてきたと思う。


そして、今日、月村先生が死んだ日。

僕等はまだ一緒にいて、同じ景色を見ていた。


「レイフ…」

彼が呼んでいた名前。

その名を呼ぶことを許された僕。


「要くん…」

彼はあの人のように僕を呼び、そっと頭を撫でる。指に絡ませる、髪の毛。

「レイフ…」

遊ぶような仕種に、笑みが零れ落ちる。


 僕たちは、なんて不思議な関係なんだろう…。


お互い好き、なのに

かけがえのない存在なのに


なのに、あの人が消えない


今も、ずっと…。


お互い同じ人をすきになった。

からっぽで…、恐ろしく、何も持たぬ人。でも…優しい人を。


お互いに。


僕等の関係ははたして愛なのだろうか。
もしかしたら、悲観しあっているだけなのではないだろうか…


「要くん…」
「…、かえりましょうか…」
「あぁ…帰ろう」

レイフが、所在無く揺れる僕の手を握る。

僕も…またそれに答えるようにレイフの手を握った。




*
水月×要。
月村先生が鍵ですね。

【薔薇ノ木】それは運命(金子×真弓)

「先輩が好きだから」


あの日の嘘が…


まさか本当になるだなんて思わなかった。


先輩…。



そっと、隣ですぅすぅと寝息を立てている人を盗みみる。

先程まで散々僕を泣かせて意地悪な笑みを浮かべていたのに…今はなんと、まぁ幸せそうな顔をしているんだろう。



「先輩…」

最初は、あずさを出し抜くつもりで付き合っていた。

先輩なんて興味なかったのに。

自分のトラウマが…あの日があっても、自分は立っていける…そう思っていた。


でも…


「何を悲観になっている…お前は綺麗だ」


先輩のあの言葉で…
ずいぶんと楽になれた気がする


 もうすぐ先輩はここを卒業する。多分、その時は泣いてしまうかもしれない。


いつも喧嘩ばかりしているけれど


性格の悪い先輩。

そんな先輩だから…

先輩だから僕は本当の自分をみせる事ができた

恋する事ができたんだ…。


これから…僕はここを退学し、一人で歩く。

先輩には最後の最後に言うつもりだ。

きっと優しい先輩は、先輩の家のツテを使え…とかいうだろう。

でもそれじゃダメだ。


僕は先輩と対等になりたいんだから。


だから…


「先輩…」


今は離れても

いつかきっと会えると信じているから


僕は眠る先輩の頬にそっとキッスをした。





*
金子×真弓が意外やヒットしました〜v

【薔薇ノ木】あずささんはニャンとなく(要×あずさ)


要さんは小動物が好きだ
特に猫は大好きらしい。

昔の僕は猫なんて大嫌いだった。
盛りのついた猫なんてうるさいだけだし…

厭らしい。

そういう事が堪らなく嫌いな僕は吐き気がするんだ…

だけど…最近は…。



「要さん!」
「あずささん…」

フンワリと笑いかける要さん。

腕には、いつかの猫を抱えていた。

あの、猫。

要さんの家に初めてきたきっかけになった、あの猫だ。


「また遊びにきてくれたんですよ、ほら、だいぶ成長して…」

そういって破顔する要さん。その優しげな慈愛じみた綺麗なその表情に、とくん…と胸が弾む。


「…あずささん…」
「要さん…あのね…、僕」

僕の事好き?
聞いたらきっとまた要さんは困った顔をして、それでもはいと言ってくれるだろう。



あの日。
月村先生が死んでからすべてがうやむやになっていた。


要さんは、もう大丈夫だというけれど。
でもきっとずっと忘れないだろう。


彼の事を。


彼は、本気で要さんを愛していたんだから。


忘れられるはずがない。


だから…


「ニャン…」
「あずささん…?」
「僕は猫になりたいな、要さんの…要さんの猫になりたい」


猫になれば…月村先生との事なんて考えず甘えられるから…。


要さんに、スリスリと擦り寄る。要さんは、クスッと笑いかけ、


「甘えん坊ですね…」

僕の頭を撫でてくれた。



ねぇ…要さん。


月村先生に僕は敵わないだろうけど


でも、それでも


傍にいさせて…ー。
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