ファミリー劇場で絶賛放送中の『太陽にほえろ!』。第437話『ニセモノ・ほんもの』。
 三年前と同じ偽札が再び出回り、当時の偽札事件の有力容疑者だったが証拠不十分で不起訴となった若林(佐野浅夫)をスコッチは執拗に追及。ドックとスニーカーは偽札を場外馬券所で使った菊田を逮捕。菊田は過去に公文書偽造の前科があった。スコッチは二人が共犯ではないかと疑うが二人とも容疑を否定。証拠が見つからからないので苛立つスコッチ。捜査をしているうちに二人は共犯ではなく互いに相手を利用していただけだ、という真相が明らかに。
 場外馬券売り場で発見されたニセの一万円札に検出された指紋は菊田のものがあった。しかし菊田は頑なに認めない。スコッチは粘り強い捜査で二人を追い詰める。

 若林の取り調べではスコッチ前期のような怒鳴りながらでちょっと懐かしい(笑)。スコッチは不機嫌なのがセオリーだった。

 ところが小料理屋に聞き込みに行き菊田の裏付けを掴んで喜ぶロッキーに「パンでも買おう!」と言う。ロッキーはいつもの滝さんなら真っ直ぐ菊田の元へ行くはずなのにと思ったのか、びっくりの表情(笑)。先輩のために菓子パンを買いに行って公園で食べる。ホットドッグなのかポテトサラダみたいのが挟んであるパンを二人で食べるのだ。パクパク食べながらよく台詞が喋れるなあと感心しつつ、この回は何と言ってもスコッチの黒いロングのトレンチコート姿だろう。街を颯爽と歩くスコッチはヨーロッパ映画から飛び出したボギー(ハンフリー・ボガート)か、アラン・ドロン様のようだ。当時の東京にはまずこんな人はいない(笑)。沖様はこのコートをバラエティーでも着てたのだが、とってもお似合いだった。高かっただろうな。私が着たらウエディングドレスの裾のように引きづりそう!
 体調が優れない表情の沖様。目がとろんとしてシーンによっては顔がむくんでいるところをみると抗うつ剤を飲んでるのだろう。走るシーンや激しいアクションはこの頃から少なくなっていく。しかしながら、精一杯スコッチを演じている沖雅也さんである。まもなく1981年に入るところ。
(俺たちは天使だ!)
 余談だけど『ヨルタモリ』でタモリさんがアジサンドを時々作るのだが、『俺たちは天使だ!』 のアジサンドとは別物の美味しそうなやつである(笑)。沖様がご存命だったら出て欲しかった!