庭は雨に濡れてキラキラ輝いている。雨で兄姉たちが作業が進まず、ちょっと焦り始めている。お盆前から、ビアガーデンを開いて仮オープンする計画があるのだ。開いてもお客様は来てくれるかな。まだまだ何もないところですからな(笑)。

 あたくしは体調が悪くて気分が冴えない。買い物に行っても気分転換出来なかった。こういう時は大人しくしているしかない。

 先日、発売したばかりの『向田邦子 脚本家と作家の間で』を毎日ちびちび読んでいる。単行本に未収録のエッセイや対談が載っていて興味深い。
 向田ドラマの常連だった桃井かおりさんが向田邦子先生にタメ口で話していて、話の流れで、その当時センセーショナルだった団地妻の売春の話題になり、ドキッとするこんな発言も。
向田「売春はわからなければ、家庭は破壊しないものね。むしろ、家計がいくらか潤って、ある意味じゃ幸福かもしれない(笑)。(中略)もし、三万円貰ったとしたら、それはお金への魅力もあるでしょうけど、自分がそれだけの魅力を持っているとおもえることが、三万円以上にうれしいんじゃないかしら」
 後半は現代女性の性≠力説する邦子さん(笑)。なるほど、向田作品には直接的な性描写はなくとも、それを連想するちょっとしたシーンが登場してきたのも、彼女なりの、当時としてはあからさまにできなかった女の性≠表現していたのだとわかった。
 向田邦子と言う人は、ずっとずっと先の時代にいる私たちと同じ感覚を持った人。だから未だに幅広いファンがいるのだ。