HERE TODAY DIARY Season2

　今日も良い天気だった。この一か月でいちばん余震が少なかった。こんなに揺れなかった日はなかったのではないだろうか。不思議な話だが、福島県沖が震源地の大きな余震はだいたい45分〜15分の間に起きる。3.11も46分だった。本当に自然に起きている地震なのかと最近思い始めている。いろいろ考えると怖いのでやめとこう(苦笑)。

　起きてテレビをつけたら国会中継をやっていた。ぼーっとした頭で観ていたのだが、震災と原発についての質疑応答をしていた。
　質問に答える大臣はいずれも焦りが感じられ、答弁があやふやで的を得た明解な言葉が出てこない。これだからいつになったって状況は好転しないのだと思った。
　そのなかで唯一しっかり答えていたのは誰であろう、それは菅総理であった。今いちばん国民からガッカリされている彼である。私もさすがに菅さんには幻滅していた。だけど、今日はしっかり答弁がなされていたのだ。原発計画についての見直しに取りかかると。閣僚たちや東電、保安院の逃げ切らない行動に菅さん自身も強く感じたのであろうか。そうであったら今日発言したことをすぐに実行してもらいたいと思う。
　前にも書いたように私は菅さんに期待していた。厚生大臣のときに、福祉や医療問題に大きな改革をもたらせたことをとても感謝している。だから総理になってくれて正直嬉しかった。またあのときみたいに弱者の味方になってくれると。実際は失望の連続だった。今回の震災だって対応が遅いし、以前の輝いていた菅さんじゃない。閣僚たちも本当に頼りになるようには思えない。期待した私が馬鹿だったのだろうか…。

　政治については、振り返ると我が家では結構身近だったことに気づいた。私が物心がついた頃には、よく政治家が我が家に出入りしていた。みんな父と世間話をしにくる。家の周りにプロレスラーみたいなSPが見張っている時もあった。その人は大物だったのかもしれない。
　いろいろな政治家がいつも長居して、長い場合夜中まで話をしていく。最初は下らない話をして父とガハハと大笑いしているのだが、後半は地元で困っていることを父からあれこれ聞き出すのである。それは些細な困りごとばかりだった。どこどこの道路が砂利道だから舗装道路にしてほしいとか、あの道にガードレールをつけてほしいとか、あの(公共の)建物が古くなったからそろそろ建て直してほしいとか…本当にいろいろだった。
　父が伝えるとすぐに動いてくれて、地元が少しずつ生活が改善されていった。子どもながらに政治家ってすごいなと感じたものである。
　大人になって父と対等に話せるようになったとき「お父さんのところになぜ議員がいっぱい来るの？まさかお金を貰ったり献金でもしてるんですか？」と尋ねたことがある。父はこう言った。「馬鹿野郎！うちにそんな金があるか？だいたい金貰ってたら、こんな貧乏暮らしなんかしてないだろう！みんな俺が顔が広いから票を集めてくれると思って来ているんだ。金品のやり取りはしない代わりに、俺は選挙の時は全力で応援する。議員からは俺が頼んだことを当選したら必ず実現してもらうという約束をしている。ただそれだけだ」と。
　今みたいにお金お金の政治家ではなく、昔はお金がある人が政治家をやっていたため、あまり金銭は問題にならなかったみたいだ。父の顔の広さと厚い信頼で成り立っていた交流は、父の晩年まで続いた。我が家に来ていたほとんどの政治家は亡くなっているが、どの方も父との約束はきっちり守っていた。振り返ってみても、人生の後半はただの養蚕と農業の百姓だった父が住民と政治家の間を取り持っていたというのが笑える(笑)。
　そういうのを見て育った私は政治の力をどこか信じていて、本当にやってくれるんじゃないかと思いながら選挙に一票を投じる。実際はガッカリさせられることばかりだし、最近は政治に対して希望が持てなくなっている。あのとき父を訪ねてきた政治家たちみたいに、しっかりやってくれる人は現れないものだろうか。期待するほうが野暮なのかな


　チャンに会いたいなと思っているとだいたい電話が鳴る(笑)。風邪引いたかも、クシャミと鼻水がすごくて…と言ったら「俺もなんだそれ、花粉症だね。花見したとき、鼻がムスムスしただろ？」と彼。確かにそういわれてみればそうだわ！マスクしないで、一時間も桜の下でまったりしていたせいだ。二人してティッシュが手放せない毎日(笑)。






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