『ネコメンタリー 猫も、杓子も。』
「ますむらひろしとモンとハテナとコマ 特別編」

去年八月に放送されたネコメンタリー「ますむらひろしとモンとハテナとコマ」が追加撮影を加えた拡大版で帰ってきました。八月の放送は途中からしか観れなかったので嬉しいです。

漫画家の美しい庭と、そこで暮らす三匹の猫。夏の日差しの中、緑が瑞々しく輝くさま。映像を見るだけで癒されるよう。この映像群が素晴らしすぎるのでとにかく観て頂きたいです。老夫婦の生活としては私の中ではこれが理想です。
そんな穏やかな生活を送る傍ら、『銀河鉄道の夜』の三度目のコミカライズを始めていると!なんとエネルギーに満ちていることでしょうか。
現在の作風からは想像もできませんが、上京したての頃は人間への怒りがあって、それを猫に批判させていたと。これは『理科室の地下で』や『人間が人間でなくなる日』に如実に現れていると思います。作品が描かれた1970年代当時の世相を考えると面白いですね。

というか本棚にある著作、大体実家にありますねぇ…。父のコレクションです。
人生で初めて触れたファンタジー作品は父の持っていた『アタゴオル物語』でした。なので個人的に物凄く思い入れのある漫画家さんです。私は当時小学二年生で、しばらくヨネザアド大陸に意識を持って行かれました。到達していないのに帰って来れないという、不思議な状態でした。

それにしても、ますむらひろしの外見が完全にオクワ酒屋の店主でじわじわくるんですよねぇ…。若い時の近影しか知らなかったから、あまりの「作中に登場していそう」という外見の説得力が凄いです。年齢の重ね方として納得しかありません。