視界の端で光の粒子が舞う。それは花びらの形をしていた。ミーナから溢れた魔力が花びらの形を取り可視化されたのだ。
ミーナはこめかみを擦った――何故魔法使いでもない自分がそんなことを知っているのだろう。

「貴女は女王の一人娘。私は最初にそう説明しました。しかしそれは真実の全てではない」

ミーナが顔を上げると、それを待っていたらしいエラムが厳かに告げる。

「貴女の養父母にも説明していない真実があったことをお詫びします。貴女の母は女王は女王でも妖精の女王。つまり、貴女は妖精と人間の間に生まれた娘なのです」