「昼間のお客様。覚えているね?」

頷く。

「あの人はミーナの本当のご両親に頼まれて、ずうっとミーナを探していたそうなんだ」

ミーナは静かに耐えた。『本当の両親』なんて言葉は聞きたくなかった。今までこの二人がそうであることを信じて疑わなかったのだから。

「あなたの本当のお母さんは、この国からずっと遠くにある王国の女王様なんですって」

「お母さん……?」

「ミーナはね、正統なる継承権を持つ王族なんだ。つまりお姫様なんだよ」

「わたしが……お姫様……?」

それはあまりにも突飛で、荒唐無稽な話だった。
王位継承争いに巻き込まれ行方知らずになった姫。母である女王はその生存を信じ、ずっと探し続けていたのだそうだ。