ここからは東の空は見えないが、それでも雲が増しているのはわかった。

「ケトルは大丈夫かな? 戻るまでには降らないと思うけど」

「何よ、ケトルはこんな朝っぱらから出かけてんの?」

マイトはのんびりと言う。

「実はね、ケトルから『最近妙にミーナの視線を感じるがこれは好かれてるってことかな?』って相談されてさぁ。『違うと思うよ』って答えたら『そっかーそうだよなー! 走って反省して来る!』っていう感じで出て行ったんだ」

テロルはブラウンの双眸を見開いて固まっていたが、次第にワナワナと震え出した。

「こ……」

「こ?」

「こんっの間抜けぇーーーーっ!!」