「まあ白湯でも飲みなよ」

ケトルが口をつけずにいたコップをマイトが手で示すと、ケトルは一気に煽った。

「うーん、思ったよりぬるいな。冷めたか」

「そのくらいの温度の方が飲みやすいよ」

「ご馳走になってる立場だけれども、正直、おれ、ジュースとかの方が良かった」

「こんな夜中にジュースなんておすすめできないかなー。加熱しているから水より安全で、アルコールみたいに未成熟な個体に悪影響を残さないんだよ」

ケトルは僅かに眉をひそめた。

「なんっか引っ掛かる言い方だな?」

「子供って言ったら怒るじゃないか」

「子供じゃねーよ! 来年成人するんだからな!?」

ケトルは唇を尖らせた。マイトには少年の心の機微がわからない。