ろくごまるに御大の作品再読中です。


奮闘編とは要するに、月刊ドラゴンマガジンに掲載された短編と、書き下ろしの中編ひとつを収録するという、富士見ファンタジア文庫おなじみの外伝です。
(おなじみと書きましたが、私は2000年代までのドラゴンマガジンしか知らないので、今もそうなのかは知りません)

外伝なら、サブキャラが主役になったり、サイドストーリーが書かれると思うかもしれません。しかし『封仙』はそんなことはなく、本編と同じく宝貝回収しかしていません。そんな凄まじい作品です。


一編ごとに完結していて、笑いありバトルありトンチあり、ホロリとくる人情話ありとバラエティ豊か。
長編はちょっと長いなー、手を出しづらいなー、そんな人にオススメです。何せ短編集ですから手軽に読めます。
しかも毎回ご飯が美味しそうで魅力的です。私はこの巻収録の『薔薇の酔っ払い・ふたたび』を読んで鰹が食べたくなりました。

とにかくタイトルがキレッキレの標題作もいいですが、私のお気に入りは人ん家の庭先で世界の存亡を賭けた戦いをする『大地に蠢く花の王』なのでよろしくお願いします。無駄に大きなスケールと程好い脱力感とろくご作品名物の間の抜けた青年が良いので!(ダイマ)