『封仙娘娘追宝録11 天を決する大団円(下)』読了

ろくごまるに御大の作品再読中です。

シリーズ完結です。
最終的にSFでした。

時系列は前巻ラストの直後くらい。冬も終わりかけています。作中の時間はこれで大体一年といったところでしょうか。


またひさいち氏の絵が変わっていますね。モノクロ絵の描き方はまだ前巻の方が好みでした。
しかし、終極飯店でがつがつと食べる和穂の挿絵は好きです。改めて和穂の精神の強さを感じました。

その他、ネタバレしない程度の範囲で内容に触れて行くと、一回読んでいるはずなのにスコンと記憶から抜け落ちていたキャラクター(一耀さんや施聞筆)がいて、忘れていた分新鮮な気持ちで読むことが出来ました。皆いいキャラだったのにどうして忘れてしまっていたのやら。
ところで白蛇とはなんだったのでしょうか。

きっと初読時は内容を追いかけるのに必死で、内容そのものの意味を理解していたわけではなかったのだと思います。

今読むと終極飯店の描写とかが凄く面白いです。迷いこんだ一般人の視点から見た奇妙なお話みたいで。むしろ人外のたぐいに化かされた系のお話ですね。
要塞の論理的な設定も好きですよ。しかしまあ、最後の最後まで状況が目ぐるましく変化し、おかげでラスト百ページに至ってもどう風呂敷を畳むのかわかりませんでした。積み木ねぇ。積み木とは。
個人的には、やっぱりこの流れと結末は納得いきません。完結してなによりという気持ちと、納得のいかなさが混ざり合ってモヤモヤします。
でも決して読後感は悪くないのです。それがモヤモヤに拍車をかけています。
事情もあるでしょうし、こうするしかなかったというのもわかります。
ただ、この最終巻が刊行されたのは七年前ですから比較にはならないかもしれませんが、昨今のラノベ業界では売れ行きが悪いとどんなに伏線が残っていようが続巻が出ないことを考えると、どうあれこうして完結まで刊行してくれたことがありがたいです。最近好きになったラノベの打ち切りが多くてつらい。


いつの間にかラスボスの座がすり替わっていたあたりにとてもろくごまるに節を感じました。
土壇場で覚醒し窮地を脱する展開もありましたが、どうにもそう見えないのも御大らしいです。
どうするんだこれ、という窮地をちょっとひねったとんちでひっくり返す手腕は健在で、結局最後までデフレとんちバトルでした。もうちょっとラストシーンに爽快感が欲しかったかもです。

追記からネタバレです。
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エオス

無意味に六歳バージョンです。
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