冲方丁


再読。


「なーんか世界とか救いてぇーーーー」


黒犬・紅犬・白犬と呼ばれる三人のサイボーグ少女達が凶悪犯罪者を相手に繰り広げるクールでキュートでグロテスクな「死に至る悪ふざけ」。

シリーズ開始当時は近未来が舞台でしたが、完結する頃には現実の時間を追い越していました。

角川スニーカー文庫から『オイレンシュピーゲル』が、富士見ファンタジア文庫から『スプライトシュピーゲル』がそれぞれ四冊刊行された後に角川スニーカー文庫『テスタメントシュピーゲル』でシリーズを統合し完結しました。
よく質問される読む順番ですが、一つの事件をじっくり追いたいなら『オイレンシュピーゲル』、全体を把握したいなら『スプライトシュピーゲル』から読み始めるのをオススメします。それからは一冊ごとに行き来しても良し、片方を四冊読んでからもう片方を読むのも良し。ただし『テスタメントシュピーゲル』は両方を読み終わってからにしないと内容がわからないので注意です。

改めて読み返すとクランチが物足りない。まだこなれていない感じがしました。

メイン三人の少女全員好きですが、この巻だともげた己の脚を咥えて敵を殴殺する夕霧が本当に好きでして…。なにかこう、嗜好が目覚めた感があります。返り血を浴びる少女は美しいのです。