空を飛ぶ夢を見た。

私の背中からは羽が生えていて、風を切って飛行することができた。
私の羽は鳥のではなく、トンボのような透き通った薄いものだった。羽音はしない。すーっと飛べる。
抜けるような青空と、木々の緑。耳元で風が鳴っていて、体中で風を感じる。とても気持ちいい。
そこは家の近所という設定らしかった。近所のおじさんたち(現実では見たことのない顔ばかり)と挨拶を交わす。
どこまでも続くあぜ道の、地表1メートル付近を真っ直ぐに水平滑空。
私はもっと高く飛ぼうとした。でも、何故か浮上できない。
高度は上がらず上がるのは速度のみ。焦る。
飛び続けてやがて高層ビルの前までやって来た。壁面にそって飛びたかったのに、やっぱり上へはいけない。ビル三階のテラスが私の限界だった。
それでも上へ上へ飛ぼうともがいて足掻いて何度も繰り返して、そこで目が覚めた。



現実の私は高所恐怖症で、それが夢に反映されたっぽい。
飛ぶ夢は何回か見たことがあるが、思い返すとそのどれもが飛行というよりも浮遊だった。
既婚のアメリカ人女性になって部屋の中に浮かんでいたこともあった。その時は超能力(という夢内設定らしい)を使っていた。

浮遊はもういいや。
滑空するのも楽しかったけれど、いつか高く飛んでみたい。