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作り物です、現実以外は
「あなたは幸せになりたくないみたい」
誘われるみたいについて行った。もしくは連れて行かれたのかもしれない。
多目的教室は6部屋あって選択科目でクラスを分ける時や視聴覚設備を使いたい時に利用できる。希望の教室や時間を用紙に記入し担当教員の印があれば大概は許可される。しかし科学や地歴等には専用の教室があり行事の時に物置になること以外にはあまり使用されず、申請がないのに使っていると教師に見付かれば無条件に追い出されるというおまけ付きでどの部屋にもほとんど人はいない。グループで集まる場所にするにはリスクが大きいから。
朝来の腕を掴んでいた掌にじんわりと汗が滲む。
好きと言う程に良平は離れていく。京平くんは嫌という程に近付いてくるのにね。
良平と同じ髪型にしたのはどうしてだっけ。
役員室を出たところで夏帆がすごい勢いでやってきた。手にはけっこうな厚みになっている書類を持っていて、それを役員室に置くとまだ涼しいのに熱そうにしていた。
「良平」
俺は朝一番に役員室を開けた。
問題が困難である程、得られるものも大きい?俺は違うと思うな。
「始まりの人は必ずいます。君が一人目であるように、彼らが連綿とした流れのひとつの中継点であるとは限りません」
慧弥とテニスをした帰り道、左藤に会った。
知彦は小6の夏前に引っ越してきた。父親の仕事の関係でアメリカにいて、向こうでは公立の学校に通っていた。アメリカの高校に進学しようと思っている。父親はオックスフォード卒だから知彦にも入ってほしいと思ってるけど、知彦はそこまで考えてない。鷹水のことは知っている。
教官やクラスメイトは俺が誰よりもウェンスに受け入れられた人間であると思っているけれど、実際はそんなことはない。俺はむしろ誰よりも多く拒否されたのだ。
恥ずかしい。
ウェンスはいつものように無表情で、いつものように抑揚なく話した。
「お昼、それだけ?」
動揺しない訳がない。
部屋で寝転んでいると音を押し殺すような気配に嫌な予感がして窓から外に飛び降りた。俺たちの部屋は3階だったけれど雨樋を利用したら大した衝撃もなく無事に逃げられた。
地 域 | 東京都 |
系 統 | アキバ系 |
血液型 | A型 |