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大佐甘甘ストレスシリーズ(仮)

※3/23とか、4/7とかの日記を参照。続いちゃってあらららら。
大佐→←←←←←←←←←←兄さん。



あれから鋼のは、司令部へやって来ても、気まずそうにもじもじしているだけ。前のように体当たりのアタックを仕掛けては来ない。私も安心して仕事をこなしていける。
前回、誘惑負けそうになった私は、対抗しようと鋼のの耳を軽く弄って刺激した。突然のちょっかいに彼は物凄く驚き、恥ずかしさにそそくさと退散した。
これだけ見れば私の勝ちではあるが、耳元を撫でられただけで、あんな声を上げるなんて。そればかりは誤算であった。こちらだって、思い返す度に体温が上がって仕方無い。実際は痛み分け、といった所だろうか。

今日は書類の受け渡しがあるので、仕方無く来たようだ。もじもじそわそわ。ソファーの端に赤コートがちょこんと収まっている。中尉から出された茶も速攻飲み干し、こちらをちらりと見てはまた視線を逸らす。
そんな鋼のの様子を見て、敏感な彼女が違和感を感じない筈はない。鋼のを心配しするあまり、どうしたと至近距離で顔を覗き込んで問いつめている。心配なのはわかるが、やりすぎると詰問に近い。
鋼のはこちらをちらちら見ながら、助け舟を要求する事も出来ず、曖昧な言葉を繰り返している。

「大丈夫?、あんまり一人で悩んでいると、辛いときもあるでしょ?ため込んじゃダメよ?」

「あ、いや…だいじょぶだよ中尉」

「もし、私や大佐に言える内容なら、どんどんく言ってくれていいのよ?、みんなエドワード君達の事が大好きだから、遠慮はしなくていいからね」

「や…ほんと、あ〜…」

「私達も、エドワード君が頼ってくれると、嬉しいの。でも、出来ればでいいのよ。無理はしないで。ね」

「うううう…」

逃げ場の無い優しさに、ついに耐えられなくなったようだ。眉毛が下がりきった顔をこちらに向けると、鋼のはっきりと口を開いた。

「なあ、大佐!。俺の性感帯って、ちんこじゃなくて耳なのか?、おかしいのかなどうしよう?!」


次の瞬間、

まるで、雪のように舞い散る書類。

私の横をすり抜けて、壁に埋まる銃弾。

驚くほど低い声で、響き渡る怒号。

中尉の顔が般若のようにこちらを睨み、視線には明らかに殺意が見える。髪を掴んで机に引き倒され、こめかみに押し付けられる銃口が硬く冷たい。

「マアアァスタングお前ぇぇ…!!!!!」

「違うっ!違うんだ中尉!大佐は逆にいつまでも俺には手を出してくれなくて」

「いたいけな子供に手ぇ出したんですか、正直に言ってみなさい。脳幹一発で撃ち抜いてやる!」

「止めて中尉っ!、俺の大佐を殺さないでえええええ」

私は今、部下から呼び捨てで呼ばれているような気がする。そんな中尉の腰にしがみついて、泣き叫んで必死に中尉を止めようとする鋼の。端から崩れる書類の山。全てがスローモーションに感じる。ちょっとだけ走馬灯も回った。
リザも出会った頃はまだ幼い少女で、こんなに低い声で怒鳴るような子ではなかった。鋼のはもっと幼くて、今思えばもっと優しく手懐けておけば良かったかもしれない。目つきは悪いが、かわいい事には変わらないのだしなあ。


なんて思考が逃げている内に、何度か机に頭を打ちつけられたりしていた。
鋼のの必死の説得に中尉がやっと聞く耳を持ち、私の拘束が解け、若干誤解を残したままの中尉と鋼のが一緒に部屋を出て行くまでかかった時間は約二時間。
すっかり定時が過ぎた執務室で、私はこれから一人で、部屋中に散らばった書類を再び分類し、書き直さなければならない。
痛み分けどころの話ではなかった。今とても色々な所が痛い。
あまりの悲しさに、先日、鋼のが書いて来たエロ小説をこっそり読んだ。ちょっときゅんとして、ちょっと体が熱くなった。
今はいいんだ今は。きっと明日から、中尉からの冷ややかな視線で貫かれながら、仕事をしなければならないんだ。ちょっとくらい体温は上がってもいいんだ。

ちょっかいの代償は大きかったが、私は明日も頑張って仕事をしようと思う。決して、マゾヒストな訳でない事は、念の為付け加えておく。
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