待てと言われたわけではない。
一人舞い上がり待っているだけ。
寂しさを埋めてくれる相手ならもう誰でもいいんじゃないかと思えてくる。
あいつじゃなくても、いいんじゃないか。
所詮そんなもんか。所詮こんなものか。
夢は地に叩きつけられて、現実を見てしまったのかな。
ただ、まだ足りない。まだ完璧ではない。
叩きつけられて見せられた現実で、今度は私が夢を見せる番。
己の手で復讐しないと。
ああ早く、はるさんに会いたいものだ。
見た。
夢を見た。
昨日の私を夢の中の私が攻め立てる。
ああ、確か、昔の私は男に媚びうる事を、関わることを凄く嫌悪していたな。
だが今はどうだ。
仕事柄媚びうる事も平気でするようになった。
それを悔いてるわけではない。
仕事のお陰で男とどう接すべきか学べてるし、マナーも学べてる。
どう接したら男は喜ぶかとか、どう話せば話が続くとか…
ああ、でも、それら全ては仕事上やるべき事で、仕事中、私の心は魂は現世に無くて…
所詮、野郎なんて皆同じってことか…。
夢の中で、私は、男に夜這いみたいなことをしていた。
甘えた声で言葉を紡ぎ、しらぬそいつの足に這って、そいつの右太ももの刺青を好きだと言っては胴に舌を這わせ挑発している私がいた。
そこで目が覚めた。
何、夢占いで調べることもない。夢が何を伝えたいのか嫌でも分かった。分からざるをえない。
もう、香はここにはいない。
貴方の事が好きでした。でも、なにか違うような、そんな感じがして、ああ、やはり人は変わるのだねと、悲しくなりました。
貴方の事が好きでした。でもその分、それ以上に貴方が憎くてしようがありません。
貴方から奪える大切なものを奪い、選ばせても、まだ気が晴れない。
貴方はどうせ私には振り向かない。
理不尽に耐えうるものだけがてに入れられるもの、歩める道、あの人の元へ帰れる為の道。
魔女になりたくて世界を壊す夢を何度もみるの。