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304

幸福の存在に気づけないのは、幸福なことだ。雨がふることを気にとめないことや、空気があることを意識しないことと同じで。月や森や雷光を美しいと思う時、あなたの好きな夏がやってくると実感する。そして他のどの季節よりも早く、終わりのことを考える。

303

許しを得たかったわけじゃない、許しを得る必要のない環境が欲しかっただけ。救われたかったわけじゃない、救われなくても平気な心が欲しかった。誰かに愛されたいわけじゃない。本当は、何を思っても否定も肯定もしなくて済む、誰もいない世界の自由が欲しい。

302

世界が思うほど美しくないことに気づくたび、君のことを思い出す。
「神様は完璧ではなかった。」
そう言って楽しそうに笑っていた。

301

いつか思い出になった時に色褪せない行動を知っていたら、きっとそれだけをするのだろう。存在するのは過去だけだ。未来が過去に変わってゆくのを1秒ずつ確かめる。振り返ることができなくなる、最後のその瞬間まで。

300

君が失くした言葉の中に、僕の言い損ねたことと同じものがあるのなら、僕らは案外同じような夢を見ていたのかもしれない。堅実な日常を見渡しても、本当の決め手になるものは多分見つからない。息ができないけれど、それを罰だとは思いたくなかった。
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