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213

あなたの春が優しい色をしているなら、それは人生の贈り物だ。いつの記憶にも季節があって、ぐるぐると巡っているように感じるけれど、本当は同じ光が降りそそいだことなど一度もなかった。星の中を旅するように変わってゆく色の中に、あなただけの夏があること。夕暮れの淵で、夜の香りで、入道雲の影に潜って。そのことを思い出すためのグラデーションに、この道は染まりはじめている。

212

何かについて言葉にした時、その部分は世界から隔離される。それでも言葉にするということは、概念を形にするということで、世界の一部を結晶としてこの手に持ちたいと思うから、きっとそうするのだろう。光に透かしてみたかったのかもしれないし、誰かに渡したかったのかもしれない。鋭いものは乱反射してきっと美しく、まろいものはやさしい光を散らすだろう。けれど火を生むこともある。形を成すことはそれらにとって、一歩後ろの階層へと身を落とすということと同義になる。

211

許せない対象が個人やひとつのものならば、その時の視野は少し狭くなっている。許せない対象が世界や仕組みだとしたら、前者よりも視野は広い。少なくともそれは、自分だけでなく、自分以外の「誰か」の視点も含まれた想いだ。

210

自分が確立されていない時、他人の感情が伝染することがある。共感を美徳とされがちな世の中だけれど、本当はそれはあまり良いことではない。人と人との距離感を間違えた時、その人自身に傷がつく。

209

意識しないところに大切なものがある。そしてだからこそ守られる。秘められた心の中にこそ、あなたの大切が眠っている。
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