〜暗いVer〜
とある人気のない教室、普段なら楽しげな笑い声が響くその部屋にはたった一人のメンバーと女生徒一人しかいなかった。
「嘘、嘘でしょ、ねぇ」
「嘘じゃないよ、」
貴女の彼氏は悪いことをして執行部に取り締まりを受けた。
「嘘よ、彼がそんなことするわけないじゃない!でたらめ言わないで!」
ヒステリックに叫ぶ女を、悲しげに見つめる。
「嘘じゃない」
その証拠に彼は昨日から学園に存在していないでしょう?
丁寧に、穏やかに、けれど非情に放たれた言葉は女をズタズタに引き裂いていく。
「嘘、嘘嘘嘘!!ねぇ、返事をしてよ!和樹!いるんでしょ、聞こえてるんでしょ!和樹、和樹、和樹っっっ!!」
いくらこの空間で叫んでも、彼には聞こえやしないのに。
「返してっ!私の彼を返してよ…!!!」
「…私は、ただの会計、執行部じゃない」
だから、何も出来ない。
取り締まりを手伝うことも。
その複雑な気持ちを共有することも。
手を伸ばすことは、とうに諦めてしまった。
届かないのに
(掴めなかった手を求め縋る姿が美しく見えた、なんて)
(私には出来なかったことだから)
あれぇ、何か意味分からない文章になった…。
紅さんはどちらかというとシリアス書きにくいです。
和樹誰だよ、とかツッコんだら負けですよ。
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