帰り道



あれ、おかしいな。





飲みの帰りに一人で歩いてるのに、
不思議と元気だ。


切なくて、苦しくて、
虚しくて、悲しくて、

そんな感情が微塵も感じられない。



バラードを大音量で聞いても、溢れてくるのは高揚感。



不思議だ。


わくわくして帰り道を歩いてる。
スキップでもしそうな勢い。


ついに恋愛捨てたかしら。
全然頼る気がしない。
強がりではなく、素直に。
自分にできること、
自分がやりたいこと、
それを自分でやりたいなって。

足りない部分は補ってもらうかもしれない。
でも、前みたいに無理に頼ろうとは思わない。


――いよいよ一人でも生きていけそうだ(笑)


彼氏に頼って甘えてる自分が想像できない。


恋愛にしがみつく理由が浮かばなくなったんだ。
彼氏がいるというステータスも、
元彼や曖昧な人との関係への執着も。

全部ぜんぶ、いいやって。


今の自分も、相手も、恨んじゃいないよ。
過去があってこその今だもん。
むしろ感謝してる。




なんて気持ちを抱けるほどには大人になれたのかな。



そんなことを思いながら、
お気に入りの曲を大音量で聴いて、
お気に入りのフレーズを口ずさむのです。






泣いたって 笑って
憎んだって 愛して生きていこう





いつか、愛せるような気がしてくるよ。