今の「私」、次の「私」。




この涙は何?



何に対しての涙?




指摘されたことに落ち込んだからの?
できなかったことに後悔したからの?
無力な自分の不甲斐なさが悔しいからの?





――全部、かな。



全部ぜんぶ、当たってる。


自分にとって言われたくないことを言われて傷ついた。
でもそれよりも、できなかったことが後悔に思われるから。
「あのとき、ああしておけば良かった」と。
でも、それ以上に言われたくないことを言うのを許してる自分自身の不甲斐なさが、とてつもなく悔しくて。


言い返すだけの実力も、経験も、言葉も。
何も持ち合わせていない自分。
なんて非力なんだろう。
なんて無力なんだろう。




悔しい悔しい悔しい…



言い分もあるけど、それすら言い訳に捉えられたくないから何も言わない。


「言い訳してる」って評価されたくないのよ。
弱い人間だとか、今時の若い者はだとか。
そんなこと言われたくないから。



だから、耐えるさ。
理不尽だと思うことはあるけど、
これからその理不尽な世界を生きていかねばならないから。
今負けるわけにはいかないの。



負けたくない。
逃げたくない。
折れたくない。



だったら、泣いたって笑っていかなければ。
憎くたって愛してやろうじゃないか。



それくらいの負けん気は持ってるよ。



意外と心が強かったみたい、私。
一見強靭そうで、けど脆くて。
でも弱く見えて実はギリギリのところで踏ん張る強さがあって。



だから、私は「私」なんだな。


良くも悪くも、私は私以外にはなれない。




だったら自分を変えるんじゃなくて、
今の「私」を受け入れて、
次の「私」に進めばいい。



そんなことを思いました。



でも。

なんか、なんかなんか。





悔しくて、悔しくて。
とてつもなく悔しくて。



それに対して何もできなかった自分に、涙が零れたんだ。