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花嵐


春先にかけて、二人で話し合ったこと。




先輩はお婿さんで、ママのご両親は小さいけれど会社を経営してて。

それとなく、話はされていたから。
うん、とうとうキタカ、って言う感じ。
きっと。

「そろそろ考えている」って言われて、頭では分かっていたはずが、自分の心の動揺に驚いた。

覚悟と言う覚悟なんて、しっかり有った訳では無いんだな。
まるで、他人事みたいに感じてた部分もあったんだな。


「別れるわけではなく、今の生活がちょっと様変わりするだけのことだよ」

いや、ちょっと様変わりするだけって。
いやいや、そのちょっとの様変わりがどうしようもなく問題なんだよ。



と、話し合ったこの春先。






先輩がママを大切なの知ってる。
大切=責任OR愛情
どちらだとしても。

知ってるなら、終わらせれば良いのにね。
私から。

ううん。無理。

何で?分かってるじゃん。


先輩はずるい人だ。
どっちも。はずるいんだよね。
そんなの分かってるよ。
だって、お互い同じようにずるいんだもん。

私も先輩も、まるで同じ人格が二人いるみたいね。

うまく使い分けている。

う ま く う ま く う ま く






「離婚する」「離婚して」
先輩、何度も言ってたよね。

この度、はぐらかして、諭していたのは、私。

ずるいのは、私。




「リンちゃんと別れるつもりなんかないよ」

じゃあ、どうするの?





私の中でさえ、私の心が分からない。




でも、やっぱり、愛してる。













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