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デコレート


御殿場は今朝は雨だって。


こっちは晴れてるよ。
みぃは、今日はプールです。


じゃあ、私も仕事行くか。



先輩、お仕事頑張ってね。

明るい夜に


貴方は優しすぎます。







消えかけた痣の上についた艶かしく赤い痕。

鏡を覗く度、身体が覚えていて疼いてしまうから。

優しく優しく、日常を忘れてしまうように私の身体を包むから。



やっぱり貴方がいい。

先輩じゃなきゃだめだ。


そう思わせてしまうから。






先輩、貴方は優しすぎますよ。





ほらね。

二重になった痕が火照ってまだ眠れない。

さっきまでの肌の感覚が、髪の香りが、耳に残る息遣いが。

まだ消えなくて。



先輩は優しすぎて意地悪だよ。










鏡って嫌だね。





***




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山吹色



「先輩。じゃなくて、名前で呼んでみ?」


そうですね。
確かに先輩のこと、名前で呼んだことってなかったかも。

でもね、今さら恥ずかしくて名前でなんて呼べません。


「いやさ、せめてさ…」

ん?

「まっ、いいや。なんでもねぇや」




先輩の言いたいこと、分かってる。
呼ばれたい「時と場合」もあるってこと。


素直に名前を呼んで、すがれたらいいのにね。






でもね、本当はね。
聞こえない程の、声にならない声でね。
貴方のこと名前で呼んでいるんだよ。

気づいてないでしょ?


だって、
きっとね、声に出して名前を呼んだなら、
貴方のこと「愛してる」って言ってしまうから。

だから、呼ばないよ。




「愛してる」は、言えない。

私が言ってはいけない。





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