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2つ下の記事「死神と悪魔」について

実に悪い顔である

先日ブログにあらすじ?を書いた「死神と悪魔」ですが、はじめこの立ち位置には一柱の神のみが登場する設定でした。
今回それを悪魔に変更し、話相手として死神を付けました。

これはしぃちゃんが以前ツイッターに投稿していた死神と悪魔の話に影響を受けたものです。腐れ縁な冥界コンビっていいなーと。
先日の死神や悪魔は上記リンクのものとは別キャラなのですが、世界観などモロに影響を受けております。なので今回紹介したく追記しました(´ω`)ノ

しぃちゃんの考えるキャラクターや設定はどれもこれも面白いので、是非ご覧下さい!




唐突に創作ネタ投下

「死神と悪魔」


冥界にて

 人間界へ仕事に向かおうとする死神。その前に立ちはだかる異形の少年がいた。

「またお前か、悪魔め」

死神は吐き捨てるように言った。

「そんな言い方はないだろう、僕は心優しい人間の味方なんだ」

「人間の運命は変えられない。定められた日時に必ず死ぬ。余計な真似ばかりするお前を見ていると胸糞が悪い。消えろ」

「嗚呼、死神はなんて冷徹なんだろう!…僕は思うんだ、誰しも突然死ぬのはやりきれない。悔いが残る。もしも自分の死を事前に知ることができたのなら、人はどうするだろう?」

「私には関わりのない事だ」

「…ともすれば、強い意志で奇跡だって起こせるかも知れないじゃぁないかっ!」

大げさに熱弁する異形の少年を、死神は呆れた表情で一瞥した。

「今回は素敵な案件だね、ぜひ君より先回りさせてもらうよ死神クン」

異形の少年は人間界へと降りていった。


人間界

 容姿端麗才色兼備な16歳、レイ子。代わる代わるやってくる男子の告白を丁重に断るのが彼女の日課だった。
 ある下校時、女友達らに「一人くらい気に入った男子はいないのか」などと囃されるレイ子。「私のお気に入りは今も昔も一人だけよ」…そう答えていた所に、汚い子猿のような中学生が駆け寄ってきた。

「レイちゃん!今日はレイちゃん家でお勉強を教えてくれる日だよね!待ちきれなくて迎えに来ちゃった」

 瓶底眼鏡にボサボサの髪の子猿はレイ子に馴れ馴れしい。レイ子も子猿と親しげだ。あまりに不釣合いな二人の画に女友達らは唖然とする。
 子猿はレイ子の三つ下の幼馴染みで、名前を一路(いちろ)と言った。みすぼらしい一路の手を引きにこやかに帰っていくレイ子を見て、女友達らは彼女の慈母のような優しさに感心する事しきりだった。

 しかしレイ子は自室に着くやいなや豹変する。中学1年では到底解けない問題ばかりを吹っ掛けては、それを口実に一路に体罰を与えた。レイ子は一路の人格を否定する言葉を吐き続けては、むせび泣く一路とその傷をうっとりとした表情で見下ろした。

 気が済んだ様子のレイ子は、次に一路を女神のように介抱する。一路の表情を隠す瓶底眼鏡を外しぼさぼさの髪を整えると、彼は幼いながらに美しい顔をもつ少年へと変貌した。一路に汚い風貌をするよう命じたのは他でもないレイ子で、自分しか知らない一路の美しい素顔を眺めては満たされる独占欲に身を震わせていた。

 一路はレイ子の命令を忠実に守り、友達はひとりもいない。唯一いるのはレイ子という頭のおかしい「ご主人様」だけ。けれど、これはレイ子も同じだった。彼女が心を開く相手はみすぼらしい「下僕」の一路ただひとり。一路はそれを理解しており、レイ子の横暴を受け入れていた。受け入れるというよりも、この狂った主従関係こそが自分達の正しい愛情の在り方だと確信していた。俗世の言葉を借りるならば、二人はれっきとした恋仲なのだ。


 ある日、レイ子の前に奇妙な少年が姿を現す。大まかな姿かたちこそは人間のようだが、肌、耳、瞳…明らかに異形の者だった。
 異形の少年は、レイ子が半年後に命を落とす運命になっていると伝えた。信じる素振りのないレイ子に異形の少年はビジョンを見せる。それは、鬼の様な形相をした少年に首を絞められている自身の姿。……成長した一路がレイ子を殺すと言うのだ。

「君しだいで運命を覆せるかもしれない。そもそも突然死ぬはずだった君の前に僕が現れたこと自体、奇跡の始まりじゃないのかい?」

 異形の少年は澄んだ目でそう言った。「死に抗い、運命を変えよう」と力強くレイ子を励まして姿を消した。



 自分は幻覚を見ていたのかもしれない。レイ子はそう思いもした。けれど死のビジョンは生々しくレイ子にまとわりつく。死ぬ事以上に、一路に裏切られる末路に震えた。
 もしも異形の少年の予言が本当なら…いや、そうでなくとも。自分の歪んだ愉悦のために一路が傷ついているのは紛れもない事実なのだ。レイ子は長い夢から醒めたように突然、傷だらけの一路を想い胸を痛めた。

 一路はどんなにひどい仕打ちを受けてもレイ子に尻尾を振る。擦り寄って、どこまでも付いてくる。それはまるで雛鳥の「すり込み」のようだとレイ子は思った。へにゃへにゃと笑う一路の顔を初めて冷静に眺めると、笑っているのか泣いているのか分からないような笑顔だった。

「もうそんなダサい眼鏡しなくていい。髪も普通にしていい。学校で友達と喋ってもいい」

「え?」

「勉強も普通に教えるし……もうアンタを傷つける事もしないから……」

 レイ子はぶっきらぼうながらに一路を解放した。


 それから数ヵ月、二人は「普通の」恋人関係を築いている。一度は去ろうとしたレイ子を、一路が涙ながらに引き止めたのだった。レイ子も「一路さえ許してくれるのなら、」と気持ちを素直に現していく事を決意した。レイ子は無事、普通の女の子としてやり直す事が出来たのだ。
 一路はスラリとした美少年に成長しており、レイ子と一路は誰もが息を呑む美男美女カップルとして評判になっていた。誰もが二人の幸せを疑わなかった。

 が、突如レイ子は命を落とす。それは異形の少年が現れたちょうど半年後。彼の予言の通り、レイ子は一路に絞殺されたのだった。



 ……あの日、一路はレイ子との狂った主従関係から突然解放された。けれど、もとより一路にはレイ子しか居ない。レイ子の狂った愛情だけが彼にとっての正しい愛情だった。一路にとってレイ子の言葉は「解放」ではなく「裏切り」でしかなかったのだ。

 レイ子が「普通」に接してくるたびに、人知れず一路の中で不安と寂しさが積もり、悲しみ憎しみに変わっていた。そしてついに、

「私とばっかりいないで、いい加減に学校で友達作りなさいよ」

 という些細な小言で一路の不信感は爆発したのだった。


「レイちゃんは僕が嫌になって捨てようとしているんでしょう!?」

 もみあう間もなく、レイ子は一路に組み伏せられて首を絞められた。

「急に普通の格好をしろって言って、ベルトで叩かなくなって、爪にペンをささなくなって、お風呂やトイレに沈めなくなって…僕の工作を踏みつけて壊したり、クラスの子達の前で頭おかしいフリをしろって命令しなくなって……。」

「飽きたの?僕に飽きて、もういらなくなったんだよね!?だから友達を作れって言うんだよね?いつまでも付いて来てうざったいから、他の誰かに押し付けて逃げようって思ってるんだよね!?」

「ひどいよ、裏切るなんて絶対許さないから。勝手に逃げようったってそうはいかないんだから。だって僕はこんなにレイちゃんが好きなんだよ?ちっちゃい時からずっと、ずっとレイちゃんが僕の全てなんだよ?愛してるんだよ!?こんなに、こんなにレイちゃんを愛してるのに!レイちゃんを愛してるのに!」

 ギリギリと首を絞められる間、レイ子の瞳いっぱいに一路の狂気に満ちた顔が写っていた。何をされてもへにゃへにゃと泣くように笑って付いてくるだけだった一路が初めて激昂している。声変わりで掠れた声が、矢継ぎ早に耳を犯す。どんなに虐めても抵抗せず泣くだけだった一路に組み伏せられて、身動き一つできない。この時、レイ子は初めて男女の力の差を感じた。初めて一路に男性を感じた。

「レイちゃん愛してるレイちゃん愛してるレイちゃん愛してる」

 目の前には一路の狂気に歪んだ美しい顔、耳には暴力的な愛を囁く掠れ声、喉元には一路の想いに呼応するように力が込められていく筋張った指。
 レイ子は苦しさや死の恐怖など忘れる程に、全身で一路に酔いしれた。ゾクゾクと身を震わす快感に溺れ、うっとりと一路を眺めながらレイ子は逝った。



 冥界にて。

「いやぁ、今回も奇跡は起こらなかったね」

 仕事を終えた死神に、異形の少年がはしゃいだ様子で駆け寄る。死神は侮蔑の表情で少年を見下ろした。

「人間の運命は変えられない。誰よりもそれを知っているくせに、お前は奇跡だなんだと聞こえの良い言葉で人間を焚きつけて面白がる。悪趣味な悪魔がいると胸糞悪い。死んではくれないだろうか」

「いやいや、わからないよ!きらめく絆が人間にはあるんだ!奇跡を信じて!」

 明るい言葉と裏腹に、悪魔の少年は下衆いた笑みを満面に咲かせていた。


一応おわり

あらすじのつもりで書き始めたら結構がっつり書いちゃったよ

発想は以前からあったんですけど、ふと人間界の方のネタがおりてきたので今回ざっとかいてみました。眺め神ってやつ。神じゃなくて悪魔にしちゃったけど。

あと、書き直すこともないと思うけど、もし練り直すならこのシリーズに「受い」も入れたい。
傍から見れば悲惨な事件で死んでるのに本人は幸せに死んだ、みたいなの好きかもしれんのう

魔王「フハハハハ!地獄へようこそ、勇者殿」


…みたいな創作ネタをもてあましている

魔王と勇者の話。どうせきちんとは書けないし聞いてくれ
RPGみたいな世界の、ジジイ共の話ね。

ある世界の勇者は、見事魔王を倒した後英雄として人々に讃えられ、愛する家族と沢山の人々に看取られながら齢78でこの世を去る。

しかし歳老いた勇者の魂の行き先は、天国ではなく地獄だった。

悪事に心当たりのなかった勇者は地獄行きの理由を問いただす。返答は、若かりし頃勇者の名の下に沢山の魔族の命を奪っていたから、というもの。

動揺を隠せない勇者の前に現れたのは、彼が何十年も前にその手で地獄へ送った宿敵、魔王だった。

魔王「老いさらばえてクソジジイに成り下がったようだな、勇者よ」

勇者「元からクソジジイだったお前に言われたくはないわ!」

みたいに喧嘩腰で再会を呪いあう二人(誤字じゃない)。

災害レベルの強さのジジイ二人がガキのような喧嘩を毎日繰り広げる。
手に負えない、懲罰もものともしない、で困り果てた地獄の職員は「ここで好きなだけ喧嘩しとけ」と何もないシェルターに二人っきりで閉じ込めてしまう。

地獄では死ぬことがない。次第に疲れ果てていった二人は退屈しのぎに互いの生前の話などをしはじめ、理解を深めていく。

その頃現世では勇者の孫が、国の王子から新たな勇者として魔族を倒せと内示をうけていた。
現在人間と魔族は干渉しない協定を結び、互いに平和に過ごしている。それを「魔族が襲撃してきた」と自演し、攻め滅ぼそうという。

王子は国王と意見が合わず、王位を継承してもらえずにいる。そこで対外強行手段で国民から支持を得て王に成り代わろうという陰謀があった。


孫は罪もない魔族を傷つける事はできないと断るが、逆上した王子によって臆病者と晒し者にされる。
それでも意に介さない孫をみて王子は孫を魔族と通じる裏切り者として処罰しようとした。
濡れ衣をきせ処罰する事で、人々の魔族への敵意をあおり、魔族を倒す新たな勇者が出てくるのを待つ狙いだった。


これを偶然知った勇者。
孫を助け、その陰謀を阻止しようと立ち上がる。魔王もヒマだからと地獄を突破する加勢をする。

勇者と魔王は力をあわせて現世へ行き、孫の処罰の場に居合わせた人々を一喝する。自作自演の証拠をつきつけられ、王子は島流しになった。

勇者の霊は、今自分が地獄にいる事、妄信的な正義を悔いている事を民衆に話す。
人間と魔族の共存、暴力に頼らない新しい世の中を模索する事を人々に約束させ、地獄へ戻った。


新たに加わった罰をうけながら、勇者と魔王は「お前とは長い付き合いになりそうだ」と苦笑しあった。


みたいなの

あらすじですらこの長さ…
脳内まとめる力って何ゴールドで買えますかwww

診断メーカー+α

診断メーカーで遊んでみました↓
mooooonymanは『白色のウルフで紺色の透き通るような目、肌はなめらかでぶりっこな性格の下級悪魔』です。茶髪緑眼の死神と親友です。 http://shindanmaker.com/193859

これをうけての落書き
 

と、当初ここまでをチラ裏にアップする予定だったのですが、しぃちゃんの考える設定が面白かったので、これを僕一人で楽しんじゃ勿体無いと思い転載させてもらいました!


■親友の死神が狩る予定の人間を悪戯で先に騙して魂を奪ったりしてたら楽しいなー。男でも女でも楽しそうなビジュアルですよ


■悪魔が奪った場合と死神が狩った場合だと魂の行く先も違うんでしょうね。死神が狩られた場合は然るべき機関で然るべき存在に天国か地獄かそれ以外か采配されるんでしょうけど、悪魔が奪った場合は悪魔に私物化されて意識が原型留めないくらいどろどろになるか食べられて消滅しちゃうかで悲惨な末路


■白髪ウルフで紺色の目ってビジュアル的に天使っぽいよね。そこからのペテンコンボなのか。あるいは褐色×白髪でちょいエロ路線なのか。でも碧眼だしそこを生かしたいよね。ここはやっぱり色白ですね


■下級悪魔というのがまた雑魚っぽくていいよね。で、死神と親友というのもいいよね。担当区域が一緒だったとかそんなきっかけで仲良くなってたらいいよね。死神は神様とはいっても神様界ではいちいち名前も認識されてないくらい軽んじられてるんだろうね。数がいっぱいいるし、業務内容的に


■死神さんは悪魔さんに魂横取りされて「やめてよー」とか言うんだけど、死神業務的にはタゲが現世からさよならグッバイしてくれたらこともなしだから「これこれこういう理由で魂が現世から消滅しました」と報告をあげとけばお咎めもないので手間といえば手間だけど何も困らない


■悪魔はふらふら日々をごろごろ暇潰し探しながら生きてるけど(人間と契約してる奴、何かの眷属で忙しい奴除く)、死神は地域によって忙しさの違いはあれど恐ろしくきっちり仕事してる。悪魔は死んだりするから人間その他でも撃退できるけど死神はまず死なないし死んでも代わりが湧いてくる


■死神撃退したら五、六柱仲間を呼んで追い回してくるし、殺したらやっぱり仲間が湧いてきて、それこそ地獄の果てまで追い回される。後者は審判を受ける際の罪状に「神殺し」も加わり裁判官の心証は最悪なこととなる


■悪魔さんが「死神さんのタゲ始末しといたよー空いた時間で遊ぼうよー」とかやっても死神さん的には名簿の順番が一つ繰り上がっただけだから「お仕事あるからごめんねー」ってなる。でも適当にサボりつつ悪魔さんと遊んでるんだろう


■天使は死神のことを「自分の仕事に必要だけど自分は絶対やりたくない汚れ仕事に従事してる底辺」と認識してる奴が多数なので死神にはあんまり関わらない。「人間が可哀想…」とか思ってる奴もいるかも。悪魔のことはとにかくうんこだと思ってるやつが多い


■死神は真面目で堅物で融通のきかない、洒落の通じない奴が多い。変に帰属意識と仲間意識は高いけど、外部から見たらそこ含めて無機質で気持ち悪ッ!と思われることが多い。感情に乏しく見える。人間の魂を狩ることに関しては草むしりみたいな感覚。書類の角をきっちり揃えることに喜びを覚える奴が多い


■悪魔的には死神は「おもんない奴」である可能性が高いため、悪魔と死神が仲良しこよしなのは珍しいけど無いわけではない


■悪魔は男でも女でも「遊ぼうよー遊ぼうよー」タイプ。死神は女の子の場合種族的な仕事に厳格なところとちょっとだけほんわかなところが同居してるタイプ。男の場合は種族的に厳格なところが出て外見の素朴な地味さの割にクール。地味クール。

■なんにせよ、へっぽこな下級悪魔と絡んでる時点でノリはいいほうなんだろう。悪魔、しかも下級悪魔と親友関係になれる死神って


あのたった何十文字からここまで世界が広がるってんだから、しかもそれがまた面白いから、しぃちゃん凄いです。あと個人的に、死神の助数詞がさりげなく「柱」な所とかもなんかこう、いいんですよね///(なにいってんだこいつ

ココには冒頭の診断結果キャラ分だけ転載させて頂きましたが、ほかにもいろんな診断結果キャラから話を広げてらっしゃっていて、見ていてとても楽しいです。



許可頂いた事だし早速コピペしよう!と意気揚々とPCからツイッター開いたら固まるわ固まるわもう・・・!なんとか挫けず載せることが出来ましたが、ツイッターはもうちょっとコピペする奴に優しくして欲しいですね。わざとコピペしづらい仕様にされてるのかも分かりませんけどww

【000】単発文【血とか注意】

歯が痛い!!!!!!

ツイッターつながらない

実は昨日から急に歯が痛くなっていたんですが、今日仕事から帰ってきたあたりからシャレにならないくらい痛くてひどい頭痛と熱まで併発したんですよ。
最終兵器バファリン先生のお力添えを頂くも効きはじめるまでに参ってしまって、気が付いたら普段の睡眠時間分以上寝てました。今はだいぶ楽です。さすがバファリン先生。

正直ね、歯痛ナメてました。

今まで「歯が痛い」って言って休む人をちょっと冷めた目で見てましたが土下座したい気持ちです。
これはいかんわ。
実際に痛みを知ってみないと本当に他人に優しくは出来ないもんだなあと思いました。

とりあえず明日(もう今日だけど)はバファリン先生でごまかしごまかし仕事して、明後日歯医者に駆け込もうと思います。
肩を怪我した事をひた隠しにしながらピッチングを続ける投手みたいな気分に浸って妄想を繰り広げてたらきっと1日が終わってる筈…!


架空の主人公「バカヤロウ!!麻酔なんてただのごまかしじゃねぇか!こんな無茶続けてたらアンタの体がぶっ壊れちまうだろ!?」

僕「誰かに話したらブッ殺す」

主「な…、何バカ言ってんだよ!アンタはプロの道を約束されてる筈だろ!?こんな通過点に過ぎない試合で全てをダメにする気かよ…!」

僕「通過点だと…?」ギロッ
主「ッ、」

僕「…」
主「…」
僕「…フッ」
主「?」

僕「俺にはな、後の事なんかより大事にしたい『今』が…『仲間』が居んだよ。今全力を出さなくて何が将来だ!…そうだろ主人公?」

主「ムーニー…」

僕「……シケた面してんじゃねぇよww(ぐしゃぐしゃ)そもそも俺様が壊れるわけねぇだろ」

主「…そう…だよなっ!」

僕「お前なァ、いい加減敬語くらい使えってのww……おっと、お呼びみたいだな」

主「む…無理だけはすんなよ!!」

僕「…」(背を向け片手を上げる


ワアァーッ…

僕「(待ってろ主人公、絶対にお前を決勝まで連れて行ってやる…!)」


勿論死亡フラグね!
主人公はアレだよ才能を秘めた補欠(後輩)で、僕は主人公の潜在能力を見抜いているカリスマピッチャー。
僕の奮闘でなんとか決勝まで進むんだけど、僕はもう球を投げれる肩じゃないわけよ。で、主人公が託されたバトンを受け継ぎ、後半のドンデン返しで奇跡の優勝を果たす…
うん

頭の中だけはいつもと変わらず元気だ。

桃尻太郎C完結



「…ふぅん。変なお話!」
「ハッハッハ。子供には難しすぎたかの?」
「年齢の問題でもない気がするけどね!…それよりおじいちゃん、それから桃尻太郎はどうなったの?」
「うむ。彼の鬼退治はまだまだ長い時間がかかった。」
「えっ、でも鬼はもう…」

「彼は桃尻太郎と呼ばれる事が嫌で功をたてようと鬼退治に向かった。しかし彼が本当に嫌だったのはあだ名ではない。そんな尻を持つ自分自身だったんじゃな。」
「ふ〜ん?」
「世界のどこに居ても決して逃れることが出来ない存在、それが自分自身じゃ。村から離れ、彼を桃尻太郎と呼ぶ者も居なくなったというのに、むしろ加速度的に彼は誰よりも尻の事で頭がいっぱいになっていった。」

「ああ、だから犬と猿に変な名前をつけたんだね!」
「彼が倒すべき鬼は、鬼ヶ島ではなく彼の心にいたのかも知れん。」
「じゃあ桃尻太郎は、本当の鬼退治をできなかったの?」


「会長、お風呂の用意が出来ております。」

「うむ、あいわかった。…さてさて、昔話の続きはお風呂でな。」
「うん!」




「あははは」
「?? どうしたんじゃ急に。」
「おじいちゃんのお尻はツルツルだね!」
「ハッハッハ!わしが一体何の企業の会長だと思っとる。」

「桃尻太郎も、おじいちゃんの開発した天然桃の葉脱毛で尻毛をきれいに抜いて貰えれば良かったのにね。」
「ぶわっはっはっは…!お前は賢い子じゃのう!」
「えへへ」

「…でもさぁ、おじいちゃんは何で永久脱毛術なんて開発しようと思ったの?」
「それはな、…鬼退治のためじゃよ。」
「?」


ふむ
…子供には難しいかの。



おわり

桃尻太郎B

くそ…一気に最後まで書くつもりが寝ちまったぜ!
-------------



「うわあああ!!!」
「ヒイィイ」

阿鼻叫喚の鬼達を愉快そうに見つめ、桃尻太郎は言いました。

「鬼までもがきれいな尻、尻、尻…!……貴様らには本当の『桃尻』をくれてやろう。」




それから暫く。

ぱったりと鬼達の往来が無くなった事を不思議に思った漁村の人々が、恐る恐る鬼ヶ島を覗きに行きました。
するとそこには見るも無残な光景が広がっていたのです。
一体どんな惨劇があったのか、全ての鬼の尻には、短い毛のような物が大量に刺さっていました。それを見た人々は、「まるで桃のようだ」と呟いたそうです。
鬼達は、人間と「桃」という言葉を何故か酷く恐れ、二度と鬼ヶ島から出ては来なくなったと言います。


以降、その漁村では、桃の絵を書いた札が今でもお守りとして軒下に立ててあるのだそうです。

桃尻太郎A

桃尻太郎は道中、
燃えるように赤い尻の猿と
尻穴丸出しの犬と
それからキジを仲間にしました。

「猿、お前の尻はトマトのようだ。だからお前はトマ尻太郎だ。」
猿は嫌そうな顔をしました。

「犬、お前は尻の穴を丸出しにしている。だからお前はアナル出太郎だ。」
犬は露骨に嫌な顔をしました。

「キジ、お前は……、…キジだ。」
キジは何故か一番悲しそうでした。


きびだんごのみで繋がれた非常に脆い信頼関係のまま、桃尻太郎と3匹は鬼ヶ島につきました。

「おいキジ、お前は空を飛んで鬼達の様子を見て来なさい。鬼達は毛だらけかどうかを特にしっかりと見て来なさい。」
キジは鬼が胸毛や腕毛を見るに毛は多い方であったと伝えました。

「おいトマ尻太郎、お前は塀を登り門の戸を内側から開けなさい。そして鬼達のパンツを脱がしなさい。」
猿は渋々開門し、鬼達のパンツを下げて回りました。

「おいアナル出太郎、お前は全裸になった鬼達を追い立て、一カ所に集めなさい。そして尻がツルリときれいな鬼が居れば、思い切り噛みつきなさい。」
犬はパンツを脱がされ慌てて逃げ隠れようとする鬼達を牧羊犬のように追い立てました。しかし尻が特にきれいだった鬼はわざと逃がしました。
鬼のためではありません。自分に屈辱的な名前を付けた桃尻太郎へのアンチテーゼだったのです。



「やい鬼共。これから貴様らの尻を改めさせて貰う。」
広場に集められた鬼達(全裸)に向かい憮然と桃尻太郎は言い放ちました。
「私より尻にインパクトがあれば良し、無難、もしく美しい尻だった場合…」
「……」
桃尻太郎はニヤリと不気味に笑うだけでした。


「まずはそこの赤鬼、貴様からだ。」
「ヒィ」
「……貴様ァア!!なんだこの尻は!!余所の体毛からして、尻だけこんなツルンとしているなど、あってはならない事だ!!!死ね!!」
「ギャアアアア!!!」

桃尻太郎は赤鬼の尻に棍棒を突き立てました。

『ヒィィィィ!!!!』
鬼達の顔は恐怖と絶望に満ちました。

「バカ野郎、そんな勝手な理由でこんな事をされてたまるか!」
「そうだ!お前のような基地外人間など…」
「皆、闘おう!こんな殺人鬼…いや、殺鬼人など力を合わせれば……」

ワアァと鬼達は襲いかかってきました。
迫り来る鬼達にひるみもせず、桃尻太郎は袴を脱ぎ捨て着物をめくり上げます。

「見よ!この悲劇の尻毛を!!」

「…も、桃だ…」
「桃のようにびっしり生えた尻毛だ!」
鬼達はざわめく。

「お前はもしや、噂に聞く『桃尻太郎』…!」
「その名で私を呼ぶなぁぁぁあ!!!!」

桃尻太郎の尻が光り始めました。
ズダダダダ…!!

突然マシンガンのような乱れ撃ちが、鬼達の尻を襲います。マシンガンの弾にあたる代物、それは、桃尻太郎の尻から放たれた尻毛でした。

「ウギャアアアア!」
「尻に!尻に毛が刺さってえぇ…!!」

桃尻太郎@

昔むかし、桃尻太郎と呼ばれる青年がいました。

彼は幼少時代こそ可愛らしい少年だと持て囃されていましたが、ある日彼の尻が凄まじいという事実が露呈してからというもの、村中から桃尻太郎というあだ名で呼ばれ始めたのです。

彼の尻は一体どう凄まじいのか。
具体的には彼の尻毛。尻を覆うように生えた短めの毛が、まるで桃の表面にびっしりと生えている産毛を思わせる…そんな、嫌な部分だけが凄まじく「桃」らしい「桃尻」が彼の尻なのでした。


「おじいさん、おばあさん。今まで育ててくれて有難うございました。私は鬼ヶ島へ鬼退治に行きます。」

「何を言っているんだい桃尻太郎…」
「その呼び方は止めて下さい。」

「そうじゃよ、桃尻太郎。お前はこの村で元気にしていてくれれば良いんじゃ。そんな危険な事なんざぁせんでええ。」
「有難う、おじいさん。それから私を桃尻太郎と呼ばないで下さい。」

桃尻太郎はおもむろに立ち上がり言いました。
「今の私は尻が凄い事ばかり取り沙汰されて、桃尻太郎などと言う不本意な呼ばれ方をしています。しかし!もし私が鬼退治という、尻毛よりインパクトのある偉業を成し遂げれば…皆も私の尻毛を忘れてくれる筈なのです。」

「桃尻太郎や。」
「いい加減にして下さい。」
「お前がそこまで言うのなら止めやせん。うちは質素なきびだんご位しか用意はできんが………持っていくとええ。」
「おばあさん…!」



「くれぐれも気をつけるんじゃぞ桃尻太郎」
「必ず帰ってくるんじゃあ桃尻太郎」
「色々と有難うございます。そして私はこんな家庭に二度と戻りません。」

きびだんごを腰に下げ、桃尻太郎は鬼ヶ島へと旅立っていったのでした。

かきたいけど多分無理な創作ネタ

いつぞピャー君の記事に便乗してジャンプ進のラストを考えていた時にふと思いついた話
ジャンプ進にしては全然王道じゃないからボツにして忘れるつもりだったんだけど、かけたら面白い気がした。でも多分書けない。

勇者とか魔王とかいて戦うじゃん?
魔王をも裏で操っていた、何千年と生きている邪悪な意志 みたいなのってたまにあるじゃん。ないかな。「あのお方」的な。
ゲームは全然しないし、言うほどRPG系漫画も知らないから、随分曖昧な話になってしまうけれど。

その「真の黒幕」を主人公にした話がかきたいわけです。

何千年もの間、様々な「魔王」や「勇者」たちに「大いなる意志」と呼ばれてきた人物。図柄的にジャンプ進みたいな少年が良い。

彼も昔は「勇者」だった。

勇者として魔王の先にいた「大いなる意志」の存在に気付けた稀少なケースの、言うならばハイレベルな勇者だったわけです。
そうして諸悪の根源だった「大いなる意志」を斬る。しかし何故かそいつは嬉しそうで、その笑顔が脳裏に焼き付いて離れなかった。

それから平和になった里で静かに暮らしたが、2年もすると自分の違和感に気づく。
まだまだ成長期だったはずの自分の体が全く成長しない。

勿論嫌な予感は的中した。仲間たちはどんどん年をとっていく中、自分だけがあの日のままだった。

勇者は「神」になっていた。
それはすなわち「大いなる意志」を継がされていたのだ。
勇者はあの場所に戻ってみる。今までの「大いなる意志」たちの膨大な記録がそこにはあり、皆、昔は「勇者」であった事、不本意にしてこの命を手に入れた事を知る。

はじめこそ、世界をよりよくしようとその不老不死の命や力を使うが、虚しいと気づく勇者。
やがて、何千年にもわたり、魔族や人間たちにキッカケを与え続けていくようになる。より強い魔王を作り、それを倒せる勇者を待つ。
その中から、自分を見つけ、殺してくれる真の勇者を探すのが目的。

そんなかんじ。
山下和美の不思議な少年みたいに一話一話の話をかきたいんだけどあれはハイレベルすぎる。

はい、山下和美大好きです。ガチで面白いというか、どの話も心にズンとくる。
本当に心が豊かで、かつ頭が良い人じゃないとあんな話は書けないんだろうなあと思います。
説話的な話大好き。

落書き、そして散文【ぽかりすえっととあくえりあす】

アンケートにぽかり×あくえりあすってあって吹き出しましたwww

両者の差を考えた事がなかった
まずはそこからだ。

強いて言うなら、ぽかりは風邪ひいた時に出されるイメージで、あくえりあすはスポーツする時に飲むイメージである。

ここまで見ると、ぽかりが女側だ。というか寧ろ女体化させたい。癒し系だぞだって。高熱にうなされてる時にそっと側にいて脱水症状から救ってくれるんだぞ。萌えるやないかい!

あくえりあすは旧ボトルパッケージのカクカクしたイメージが強い。今のぽかり二番煎じみたいなデザインより爽やかでスポーティーだった(気がする)

そしてあくまでお題に沿い「ぽかり×あくえり」…つまり「癒し×スポーティ」とするならば、普段元気なあくえりあす(若干女子供向けなぽかりをナメてる)が病床に伏す所から始まるのだろう。
あ、もう話に入りますよ。



「あくえり君、体調はどうかな。」
「おう…見ての通りだ…」
「全然大丈夫じゃないね。」
「はぁ………オレはこんな所でヘバってる場合じゃねーのに…」
「たまには休む事も必要だよ。」
「………」

熱にうかされて普段の活発さが嘘のように小さな声、しおらしいあくえり君。汗でしっとりと髪がはりついている。

ぽかり君はその汗を拭ってやる。

「ちゃんと水分補給してる?」
「…へ、何言ってんだ…オレはあくえりあすだぜ…?オレが脱水症状なんか起こすわけねー…だ、ろ…?」

言い終わる前にぽかり君の指が唇をなぞり、困惑するあくえり君。体を動かす元気もなく、ただその意図を掴めず訝しげに見るだけ。

「唇がカサカサだよ。水分が全然足りてない。」
「っせーな…たまにはそんな時もあらァ」
「………」

ぽかり君はぽかりすえっとを口に含むと、おもむろにあくえり君の頬に触れ、唇を重ねる。
少しずつ流れ込んでくるぽかりすえっとを、あくえり君は飲み込んでいく。

「ン……っ、ん」
「………」
「………」
「…ぽかりすえっとは初めて?」
「……当たり前だ…」
「そっか。どう?僕の味。」
「……、少し、オレと違うんだな。」

ちら、とぽかり君を見て、再び目線を外すあくえり君。
言い慣れない言葉を恥ずかしそうに呟く。

「優しい、味がした…」

ぽかり君は少し驚いたような顔をした後、柔らかく微笑んで、あくえり君を優しく撫でた。

別会社の類似製品として、どことなくライバル意識を持たされる両者だが
そのしがらみから脱却し、一個人同士として初めて向き合った瞬間であった。


「熱が下がるまでここにいるよ。」
「……悪いな。」
「慣れたもんだよ、気にしないで?」
「そっか。」


「…お前はこうして人を支えてるんだなあ。」
「あくえり君は、スポーツをする人達の乾きを潤してるんだよね。」
「んー…、まあ、な。」

自分の方が有意義な支え方をしている、アクティブで格好いい飲料だと思っていたあくえり君は
実際にぽかり君に弱っていた所を支えられてみて、その考えを恥じた。

そう、互いに方向性は異なるが、乾きを癒して人々を支えるという役割、そしてそこにかける誇りは同じなのだ。


「…………有難うな、ぽかり。」
「全然。」




こんな感じですか!!
ぽかり→風邪引き
あくえり→スポーツ
は、完全に僕の偏見です。

おなかすいた

ひまちゃんとこのご飯うまそう。美味しそうな撮り方?がうまいと思う。何かの魅力を最大限に引き出せるって凄いよね。

そろそろちゃんとしたご飯たべたい。引きこもるとこれだからいけんとやん!
冷凍しといた芋と水で腹持ちはする。が、もう嫌だ。野菜たべたい野菜。肉も。米も。
でも明日でいいやって気もしてくる。


何か書きたいです。ただうかびません。
何がいいですか。
既存の僕のキャラでも単発でも、エロでも健全でも、BL百合ノーマルどれでも、組み合わせやシチュエーションだってなんでもいいです。
絵か文かは思いつきしだいですし、どうなっても無責任でいきますがwww
よかったら何か下さい。
コメント欄でウダウダやってます。
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僕とチャリ之進【完結】



毎日あっという間に駆け下りていた坂道を、毎日競いあっていた男と並んで歩く。
「好敵手と書いて友と読む」という漫画の世界だけだと思っていた関係がしっくり来る事が、何だか愉快だった。

こいつはもう長い事ここらへんに住んでいたそうだ。この坂道から見える風景と風が大好きだと言っていた。


「お前ってよく見ると凄い傷だらけだな。」
「ハハハ!色んな奴に色々無茶させられてきたからなあ。けど、傷こそ男の勲章よ!」
「暑苦しいなあ。」
「なんだと。この傷一つ一つがな、俺の大事な思い出なんだよ。」
これが昔の相棒の尻に押されて将棋倒しに巻き込まれた時の、これが階段から転げ落ちた時の……と傷を見せながら力説してくる。

「それでこれが、…お前とレースやってコケた傷。」
左腕がザリザリに削れた痕。
「うわ…。痛くない、それ。」
「痛くなんかねーよ!寧ろ見てると楽しかった記憶ばっかり蘇るから、治ってほしくないね。」
「……変な奴。」

そろそろゴールにしていた国道との交差点が見えてくる。

「僕さ、あれから馴染めなかったバイト先にすっかり受け入れられてさ。ちょっと毎日が楽しくなってきたんだ。本当にお前のおかげだよ。」
「やったじゃん。俺も体はった甲斐があるってもんだ。」


「…………あのさ。お前、名前は」
「俺!ここを離れる事になったんだ!」

「……」
「だから、今日が最後のレースだ。」

チャリ之進はゴールの交差点を指差す。
「たまには自分の足で走ってみようぜ。」
「…うん。」
「互いに一勝一敗。泣いても笑っても最後の勝負だ。」
「お前みたいなオンボロには負けねーよ。」
顔を見合わせ、ニヤリと笑いあう。


坂の終わり、最後の直線を僕達は走った。
抜きつ抜かれつ、大接戦。
短く速い呼吸音だけが、二つ。

僕はスパートをかけ、僅かにチャリ之進を引き離す。
「…なあ!………なあ!!」
背後から声がする。
「はっ、はっ、…なんだよ!」


「お前と会えて楽しかったぜ!!」


背後の声が遠ざかっていく。
「えっ」
思わず足をとめかける。

「止まんな!前向いて走れ!」
「……!!」
こみ上げてくるものを必死で抑え、走り続けた。


「今まで本当に有り難うな、相棒!」
「ぼっ、僕こそっ!!!」

タン、と交差点前の線を飛び越す。
僕の、ゴールだ。

「チャリ之進!!」
振り返ると、そこには誰もいなかった。

「……………」


荒れた息もそのままに、僕は大きく手を振った。
僕が相棒と走り抜けた 長い長い坂に向かって。



おわり

#################

ベタでいいんだよベタで。
青春したかった。

僕とチャリ之進C


奴の自転車と僕のチャリ之進が車輪に巻き込まれ、車は出せなくなっていた。
立ち往生している所に僕が駆けつけると、車からすぐに身元が割れると観念したのか泥棒は大人しく捕まってくれた。
社員さんや先輩が追い付きやっと肩の荷がおりた時、さっきの坂の男を思い出した。
吐血なんて初めて目にした。しかもあれは、内臓が潰れでもしなきゃ出ないんじゃないかという量で。
「――ッ!!!」
僕は弾かれたように斜面を駆け上った。
「おい!おい!!大丈夫か!?急いで病院に……、………えっ、」

そこには誰もいなかった。
自力で病院に行こうと移動したのかも知れないと周辺を探し回ったが、全く見つけられなかった。

「おーい!!何してんだ、戻るぞ!?」
「あ……は、はい…!」
いないものはどうしようもない…。
僕は何度も何度も振り返りながら、その場を去った。




「いやあでもよく追い付いたよね!!車に追い付くとかマジで凄いじゃん!」
「君みたいな内向的なイメージの人間が一人で取り押さえに行くなんてね!見直したよ!」
「な、内向的、ですか」
「ワハハハハ!すまん、口がすべったな!いいや君は勇気ある青年だよ!」
「あ、……へへ。」
「毎日あの坂を往復してるからそんなに速いの!?」
「てかメアド交換しよーよ」
「明日新聞の隅にでも載るんじゃね?」
「…………、」
「…………、」

その日は僕が泥棒を捕まえた祝い(?)に飲み会が開かれた。
初めて真ん中にいる。皆が僕を見ている。僕の頑張りが認められた。
「ははは…!」
素直に嬉しかった。



チャリ之進の残骸を、店長が軽トラに乗せて運んでくれた。
「流石に修理じゃどうにもなあ。元々結構ガタがきてたんだろ?」
「ええ、まあ…。」
「新しいのを買えば良い。何なら表彰って事でウチから出そうか?」
「…………、…………………。」
「…そんなに気を落とすなよ。こいつだって役に立てたんだ、良かったと思ってるさ。」
「………そう、でしょうか。」

業者に引き取られていくチャリ之進を、僕は見えなくなるまで見送った。





「…………あ。そうだ、もうチャリ之進ないんだっけ。」
バイト先まで歩いていくのは億劫だった。しかし仕方がない。
早めに用意をし、家を出る。
見慣れた風景の流れが信じられない程遅く感じて、喪失感を覚えた。
突然の、不本意な別れだった。
「………自転車ごときに何執着してんだろ。いい加減気持ち悪いか。」


「誰が気持ち悪いって?」

顔を上げると、いつもの坂の男。今日は奴も徒歩だった。

「お前…、お前………」
体を心配するべきか、この前のお礼を言うべきか、チャリ之進の事を責めるべきか。どれも同じ位僕には重要で、真っ先にどれをするべきか迷って思わずつっかえた。

「俺なら大丈夫。それから、この前はごめん。」
「あ……う、うん。」
「たまにはいつものゴールまで歩いてみるか。俺、一度お前とゆっくり話したかったんだ。」
「…わかった…。」

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