ああ




ああ、そうか


まだ、わたしのなかでは、ほとぼりが冷めていないから

ほとぼりが冷めるまでは、直接は、なにも話さないほうがいいのかと思ってたよ

そんな状態の時に、頼らないほうがいいのかなと


直接、口にしてしまったら、ほんとにしにたくなりそうだから

そのまま、しにたいーだの、もうしぬーだの、ぽろっと飛び出しちまいそうで

一度言葉にしてしまうと、声帯を震わせた感覚も、その言葉の音も、想いも、いつどこでどうやってその結果どんな気持ちになるかとかどんな感触を得られるかそのリアルな感覚とかも、ぜんぶぜんぶ知覚しちまうし、思い描いてしまうから


言霊って単語があるけど

口から言葉を紡ぐと、そいつは恐ろしいほどの力を持ってしまう

今、たったの一度でも、「しにたい」って言っちまったら、なんかちょっとからだがふにゃふにゃになっちゃいそうで

それしか考えられなくなっちゃいそうで


よわっちいなあ


しにたい、とか、しんでしまえばよかった、とか

そういう言葉を、直に誰かに聞かせてしまうのは、とても良くないことだと思うのだ


それは、私自身、母から幾度となく直に浴びせ続けられてきたものだから

あれは本当にくる


たぶん、わたしの脳みそと心は今、それへの感情?激情?を感じることを思いっきり拒絶してるんだと思うのだ

だから変に穏やかな気持ちになるのだ

穏やかなまましんでいたいのだと思う

幽霊

でも生きてるのだ

わたしもよくわからないんだ

全く同じ経験も気持ちも味わったことがあるのに

どうしたらいいのかわからない

しにたかった、でもしねなかった

時間が解決してくれることを待つしかないのかね

くちびるかっさかさ

愛したにおいと




昨日は兄上の結婚式でした

結婚式の前日に、式場のホテルにお泊まりしたり、その前に家族と静岡の伯母とで集まってご飯を食べた


みんなで集まってから、式を終えて解散するまで、本当にいろんなことがあって

ああ、もうこの両親は、どうしようもないのだなと、改めて理解した


姉夫婦のはっちゃけた結婚式が自分達の好みではなかったのもあり

では兄夫婦の結婚式はTHE・結婚式といった如何にも結婚式らしいものだったので、それが良いのかと思えば、不満をたらたら


三三九度が終わって部屋を出た直後にさ

「なんだかおままごとみたいだったね」は無いよなあ

そしてそれを式で司会を務めてくれたスタッフさんにもぽろっと言っちゃうのだからわらえない


今回の式に、わざわざ遠くから伯母と、母の従姉の方とその息子さんが来てくれたのだが、こちらから呼びつけておいてまるで放置


息子さんに至っては、母以外全員初対面だし、最初は家族に相談も無しに勝手に呼びつけたことに驚きと怒りと申し訳なさもあって、内心頭を抱えていたのだが

息子さんがとても気さくな方で助かった


でも、伯母は本当に申し訳なかったな

式の座席的にも、親族はどうしても決まった並び方があるので、必然的に伯母が一人ぽつんと取り残されるような席になるし、うちの両親は新郎側なので式中は忙しくて居ないし

私は私で、着物で脇腹が圧迫されて朝からずっと死にそうになってたから、なんもできんかった


式が終わって、みんなでバタバタと着替え終わり

休憩所で腰をおろし一息ついたのも束の間

「モネちゃん、あんた、結婚してもいいけど結婚式はしなくてもいいからね」

とガチなトーンでドーンされて一瞬反応ができなかった


式前日から「はやくあんたも良いひと見つけなさいよ」

式当日も親族の控え室で従姉の息子さんに「うちの三番目が余ってて〜」

そして式後に「結婚してもいいけど結婚式はしなくてもいいからね」


すごいな、人って。ここまで好き放題暴言吐けるんだな

さすがにそれ聞いてた姉夫婦も一瞬顔が固まってたよ


前泊の更に前日

姉上が、父と私にメールを送っていた

「兄の結婚式が終わったら、そのまますぐ解散になったら、きっと母はガクンと落ち込んでしまうのではないか」と

非日常からの、急激に襲い来る寂しさに参ってしまうのではないかと

だから、式が終わった後に、すぐ解散せず、みんなで小一時間ほどお茶でもしながらゆっくり感想とかを話そうよ、と

みんなで、「寂しいねー」と気持ちを共有できる時間を設けようよ、と


あーこれは義兄が姉に提案してくれたんだろうなあ、と思いつつ

正直、さっさと帰ってゆっくりしたいとも思いつつ、賛同したのだが


クズ野郎な父が、「どうせ家に帰ったら同じことだし、意味ないんじゃないかと思うから、それならすぐに解散した方がいいと思う。母も嫌がるんじゃないかな?」と返信してきた


本気でぶち切れた


ぶち切れたので

「あのさ、何をしても結果は同じとか意味無いんじゃないかみたいな、言いたいことはわかるんだけどさ、
誰よりも私達自身がそんな風に考えてたら元も子もないと思うのよね」

と、これでも暴言ぶつけるのを必死にこらえて文章をしたため

姉に↑の文章送りつけてもいいかな?とlineしたら「めっちゃウケる!(笑)」「普段穏やかなモネからこれ送ったらいいんじゃない?」とお墨付きが出たのでそのまま送った


それでも「父はただ、一日も早く日常に戻してあげたいと思っただけ。そこまで言うなら君たちから切り出してください」

とかクソ発言かましてきやがって正直いっぺんぶん殴りたいと思った

そんなん母が嫌がるわけないのにな


案の定、休憩所で「結婚してもいいけど〜」な発言の後に

「なんか疲れたし、ちょっとみんなでお茶とかしてゆっくりしない?」

と、それとなく切り出したら、一も二もなく「したいしたい!」って乗ってきたしな

そこに居た全員、満場一致だったのにな


後から現れたクソ野郎が、よりによって母自らそのお茶の話を伝えたのにな

「ごめん、ちょっと疲れたから」

で、全員凍りついたよな


結局、母を言い訳にしてただけで、自分が嫌だっただけなんだよな

自分の予定を崩すのが大嫌いだからな


式の前も最中も、ほんとに余計なことには要らない気遣う癖に、こういう一番大事な場面で頑張れないんだよな

だから、わざわざ事前にメールまでして切り出して言質まで取ってたのにな



結局、そんなんで解散して、残されたのは電車組の姉夫婦と私


とりあえず、この式場もホテルも素晴らしかったから、ここを出るまでは不満を口にするのは我慢しよう

と三人で目白へ移動し、ファミレスで二時間以上居座って爆発しまくってた

初めはもう疲れすぎててなんにもしゃべれなかったけどな


お茶の提案は、やはり義兄発案だったらしく

幾ら嫁の家族とはいえ、ここまで細やかに気遣ってくれる旦那さんなんか居ないっていうのに、何から何まで気遣いを全部潰すんだよな

その癖、後からたらたら不満をぶつけてくるんだよな

夜に父から「ごめん」とメールが来ていたが、返す気も無いのでもう知らね


義務兄の、「お父さんは頑張らなくて良いところでは頑張るけど、こういったお母さんへの気遣いが一歩足りないんだよなあ」がまんま過ぎて


母の為に提案して、母自身が喜んで賛成したにも関わらず、それをちゃんと理解していた癖に、どうしてそこで頑張れないのかしらね



結婚式の日までは、本当にいろんなことを飲み込んで、いさかいを起こさぬように何とか我慢しよう

それまでは、出来ることを出来る限り行動に移そう

とは、三人でずっと話し合っていたので


義兄が、「モネちゃんは、この半年以上本当に頑張ってきたし、やれることは全部やってきたし、
その上でこんな結果になってしまったのはもう俺らの責任じゃないから、
これからはもう頑張らなくて良いと思うよ」

と言ってくれて、ほっとした


ここまで好き放題やらかしてくれて、こっちの努力も想いも全部潰したのだから、もう向こうからの勝手な期待や欲望に応えなくてもいい

あとは、あの二人で生きていけばいい

そう言ってくれた


今年の二月から、というより、子供の頃から抱えてきた肩の荷を、わたしはもう、降ろしてもいいんだよな


姉が、以前から両親からのメールを迷惑メールに設定していて

それで一気に気が楽になったと笑っていた


義兄も、はじめはどうかと思ったそうだが

姉の回復ぶりを見ていて、それも良いんじゃないかと思うようになったらしい


二人から「モネもそうしていいと思うよ」と言ってきてわらってしまった


姉も兄も、結婚という形を迎えて、もう彼らの手には届かないものになってしまったから

その分の重圧がこれから先、わたしに一心に降り注ぐことは、全員で考えていたことで


どうせ二ヶ月もしないうちに、また一悶着あるのも予想済なので、それが起きたら設定しようと心に決めた


結局、彼らの不満や欲望は、どうあっても満足することはないんだよな

何故自分達の希望が叶わないのか、その原因も、きっと死ぬまで気づかないだろうし、変えられもしないのだろう


人を変えることは、きっと本人が自覚して、変わろうと思わなければ無理なのだ

わたしだって、やはりきっかけが無ければ今も気づけないまま、変わらないまま苦しんでいたのだろう


でも、これでやっと、すべてのものがわたしから離れたなと思うよ


もうがんばらない。もう充分がんばってきた


わたしは、誰かの為に生きすぎた

前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2015年10月 >>
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31