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おろち2簡易感想と小ネタ(司馬昭+劉蝉)



絶望した!
司馬昭と劉蝉に特別会話ないだとう!? 特殊称賛もないような……ええええぇー…。
司馬昭のばかばか。「暗愚とか言いながら、本当にお前は喰えないヤツだよ。劉公嗣」とか千人斬り達成時に言ってよーぅ。
く。もうこうなったら清→ねねに懸けるしか…!
こちらはなんか、清正のぶれなさ加減が素晴らしいと思います。大切なものを守るために戦っただけだから謝る必要ないって、刃を向けた先は主君のいる軍だよ! 女の子に対する基準がおねね様って! わかってた! 正則にまでドン引きとか言われる彼が大好きです。そのままの君でいて。




もしかしなくてもマイナーなのかなあと思いつつ…劉蝉と誰かのお話とかほんとに見かけない。あんなにかわいいのに。ないなら書けばいいじゃないってことか。でも、それじゃあ何も満たされない。だって感情が揺さぶられるのって、誰かとの関わりによってですもんね。自分の中の引き出し開けてそれを形にするのは達成感あるけれど、萌えや感動とは別物っていうか…。

こう……これが読みたかった! って文章に巡り会えるのは、本当に幸せなことだと思います。
劉蝉取り扱いの文章サイトさまが増えますように! おねねさまが右側のお話も増えますように!!


もちろんヨシヨシのお話ももっともっと増えますように!……だって貪欲でいたいと思えるぐらいにヨシヨシのこと好きだから。









見慣れているようで、しかし何処か酷く歪んだ風景がひび割れ赤茶けた大地に横たわる。
戦場を埋めるのは数少ない味方と、青白い肌をした異形の群れだ。
押し包むように群がり、命を刈り取る武器を降り下ろす魔物たちを司馬昭は逆に斬り伏せ、時に弾き散らす。敵の戦力を削りながら周囲の戦局を窺えば、青白い波の中に真白くふわふわしたものが視界の隅を翻るのを認めた。
森の木々を連想させる鮮やかな緑の外套。その袖口や裾を飾る、豪奢な純白の毛皮。それを身に纏うのはただ一人―――蜀帝・劉備の子息、劉公嗣だ。
激しい剣戟を交える最中、ふと底に紫水晶のいろを沈めた薄い瞳と視線が合わさった気がした。常に茫洋とした光を宿すそれにはっきりと強い意志を感じ、咄嗟に眼前へと腕を掲げた次の瞬間――眩い閃光が辺り一帯を駆け抜ける。
光が消えた時には周囲を埋め尽くすほどだった敵の姿は激減していて、それすら駆け抜け様に鮮やかな動きで振るわれる細剣の軌跡の元に次々と打ち倒されていった。
ふわりと毛皮で縁取られた上着の裾が靡き、一軍を率いる魔物の将への距離を詰めて行くのを見送りかけ、司馬昭は慌てて自分の周りを掃討すると小柄な背中を追い掛けて走り出す。

「劉公嗣」
「…うん? 子上殿か」
先程見せた輝きが幻とでもいうかのような、ぼんやりとした瞳がふらりと向けられた。
「見事な戦いぶりだった。やっぱりお前は喰えないヤツだよ」
自らを暗愚と称し、見る目のない者たちが惰弱な印象を持っていたとしても。それは全て彼自身が望んで能力を隠しているせいで、本当は穏やかな笑みの下に牙を、頼りない繊手の中に爪を潜ませていることを司馬昭は気付いている。
だからこそ、歯痒さを感じてもいた。
「…ふむ。見ていながら手を貸してくれぬとは、つれないことだ」
「どこに手を貸す必要があったんだよ。楽勝だったじゃねぇか」
本心を悟らせない軽口的な文句に肩を竦めてみせれば、劉蝉は笑みを湛えたまま首を振る。
「彼らは私と遊んでくれる前にも、多くの者たちと遊んで来たようだからな。疲れていたのであろう」
そんな訳あるか。喉まで出かかった言葉は呑み込んで、司馬昭はやれやれとため息を吐き出した。




面倒くさがりの自分と、一見責任を放り投げているように見えるこいつ。
それでも力ない民がいたずらに傷付き疲弊していく様を見たくないという思いは重なる望みであるはずで、
覚悟を決め、この手を取ってくれさえすれば、剣で道を切り開き国を造り上げてきた父親たちとは違う未来を築いていける――そう思うのに。







おろちネタっていうか、三國ネタかなあ、これ(笑)。
「俺に並び立って力を貸せよ」な司馬昭と、口には出さない内心で「私が政に関わってはまた要らぬ争いの原因になるではないか。それが分からぬ貴方でもあるまい」な劉蝉がいいなあ、って。
司馬昭が「劉公嗣」って呼ぶの、すごく好きです。

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