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更新




drrr4に『現状維持と緩やかな変化』をUP。何か色々詰め込んだら無駄に長い(笑)。
来良組と、静雄さんとのこの時期の…たぶんまだこの時期のお話。
てゆか都心はもう咲いてるってどういうことなの。もう見頃? 早いよ!
とりあえず、titleの『あなたも見てますか?』が下敷きのお話ですけど読んでなくても何とかなってる…はず。
いくつも書いてると何かのお話からの続きというのは起こり得るといいますか………整理整頓の出来てないサイトですみません;;



拍手いただいてました、ぱちぱちしてくれた方々ありがとうございます!



ねこねこ小ネタB





バトンねたの続き。


やっぱり遅ればせながらというのも烏滸がましい今更ながらのねこねこネタ。せめてにゃんこの日に上げたかった…!
本当は前回前々回と再編集して纏めようと思ってたんですけど、ダメでした。
後、オチに考えてた部分も文字数的に入らない。サイトに上げる時には完全版になるかと思います(笑)。













・無事ライバルに勝てたけど
何も分かってない恋人さんだニャ…
前回勝ってはいないけど!(笑)



ぐるぐると喉で唸りきつい眼差しを向けてくる静雄の前、真っ直ぐ背筋を伸ばして正座した三好はちょっと困った顔で目線を下ろした。結果的ぱたぱたとのた打つ尻尾が非常に気になってしまうが、今はそれどころじゃないと自粛する。
本来の姿であった時よりも自然治癒能力は強まっているのか負った傷は跡形もなくなり、光輝くような白銀を纏う青年が姿を消しても機嫌が悪いのは続行中らしい。これまでを思えば気持ちは分からないでもないけれど、三好の知った事情を考えれば今回の件にアンガス・オーグの関与はない。強いて言うなら彼のような存在が池袋に在ることによって人為らざる者の来訪に繋がっているのかもしれない、そんな憶測は立つ。しかし事実は不明だし、何よりこの一件については言い掛かりにしかならないのだ。
とにかく気にくわない相手と認識している静雄に納得してもらえるかは分からなかったが、三好は一つ深呼吸を挟んで説明するために口を開いた。
「…静雄さん。昨日、手のひらに包めるぐらいの大きさの綺麗な石、拾いませんでしたか?」
獅子の額に深々とした皺が刻まれた。記憶を辿っている様子に、三好は黙って返事を待つ――とはいえ、アンガス・オーグが退場してしまった以上先ほどまでの同時音声的なものによる会話手段は断たれてしまっているので、大まかな意志疎通しか図れないわけだけれど。
(こういうところは融通効かせてくれないんだから)
ちょっと意地が悪い、と三好は思う。
少しして、静雄の尻尾がぱたりと床を叩いた。手を打つに等しい仕草と考えて、確認のためにも訊ねる。
「…手に、取ったんですね?」
不本意そうでありながらも低く喉を鳴らして頷くのは肯定の証。
静雄は昨夜の仕事帰りにあった出来事を思い出す。
駅前まで通る裏道。一服ついでに自販機でコーヒーを買おうとした時、足元に疎らな電灯の薄暗がりでもちらちらと瞬くような光を湛えた石を見つけた。
硝子玉とは決して思えない、深い翠に星屑に似た金色の光が浮かぶ丸い石。こんな路地裏に転がるには不似合いで、誰かの落とし物とでも考えるのが妥当な気がした。どうせ駅まで出るのだから交番に寄るぐらいは大した手間でもない、そう手を伸ばしたのが運の尽きだったのか。確かに手にしたはずの石が持ちあげようとした瞬間に溶けるように無くなったのをあの時不思議には思ったはず。しかし数分後に三好と出会って立ち話の態をとった辺りで疑問も頭から抜け落ちた。
まさか獣、しかもライオンになるなんて想像もするはずない。
――ぎ、と無意識に立てた鋭い獅子の爪が床を抉るのを見やり、三好は逞しい前足にほっそりした手をやんわりと重ねる。
原因は、確定された。
「納得出来ないとは思うんですけど、聞いてくださいね…」
前置いてから三好はデ・ダナーン神族に連なる青年に分け与えられたどうにも胡散臭い情報を語り出す。
全く以て現実は物語より奇妙であり、本当に、池袋に来てからというもの身の回りがファンタジーに侵食されているなあと思いながら。

静雄が手にした綺麗な石はキャス・パリーグの宝玉。魔女の変身した姿とも、残虐で強力な力を持つ怪物猫とも語られる魔物の所持する宝玉は、それそのものに強い魔力がこめられていたらしい。
触れた人間の中へ溶け込み獣の姿に変えてしまうぐらいに。
意志が弱い者であれば更に意識を乗っ取られ邪悪な存在へと堕とされたようだが、そこは罪歌の呪も断ち切った静雄だ。精神を侵食されることはなかった。
そして姿を変える原因となった宝玉は三好の知覚出来なかった先刻の攻防の際、静雄の中からアンガス・オーグが取り除いたらしい。
怪我をさせることはなかったんじゃないかと三好は思うが、力を貸してくれた事実には素直に感謝している。

「――なので、原因が排除された以上もとに戻るはずなんですけど、…日を跨いで発露した現象なら、やっぱり日付が更新されないと解決されないらしい、です…」
説明を受け入れ難かったのか、現状に苛立ちがあるのか、ぎしぎしとライオンの牙が軋む。
三好は困った風に首を傾げながら先を続けた。
「…その、今日は静雄さん、その姿のままってことなんですけど…」
理不尽で不条理な現象、しかしそれはいつも唐突に降りかかっては災難となるものである。



余白



「不便だと、思います。僕に出来ることなら手伝いますから……しずおさん?」
三好が済まなそうにする理由なんて只の一つもないのに、静雄の胸中を慮ってか心苦しそうに表情を曇らせる少年の言葉を遮るようにごろりと獅子の頭が膝の上を陣取った。
突然の行動につり目がちの大きな瞳をぱちくりとさせる三好の前で静雄は金色の眼を閉じてしまう。
「…眠くなっちゃったんですか」
血も流しましたもんね、とか的外れな気遣いに耳をぴくりと反応させながら静雄は内心で深々と息をついた。
いつも肝心なところが伝わらない。
それはこんな見た目も獣に成り下がり、言葉もまともに交わせない状態に不満も不安もあるのは当然。そこに苛立ちがないとは言わない。しかし、三好に言いたいのはまったく別のことだった。
静雄を心配し、何とかしようとしてくれて、その結果が非日常側の人外を頼ったというのは分かる。でもその存在には三好本人も何度となく痛い思いをさせられたはずだ。関わって欲しくない。
眼を閉じた静雄の心中を読み解けない少年は細い指先でふさふさと膝へ流れる鬣を柔らかく梳いていた。
優しい小さな手。
血も、苦痛も似合わない。そんなものは知らなくていい、大切な――。

元の姿に戻ったら真っ先に伝えなくてはない言葉を脳裡に、眠りを促す手付きに促されるまま静雄は意識を沈めていった。




・「猫姿も可愛い^^」らしいニャ
かわいいっていうか…



三好は獣の高い体温と体内で強く脈打つ鼓動を感じながら、しなやかな鬣をそっと撫で続ける。
流れるふさふさの鬣も、逞しくて俊敏さを兼ね備えた体躯も、綺麗だし格好良いと思う。時折動く耳や尻尾の動きは何だかかわいらしいとも。
けれど――そこには普段の静雄が色濃く残っていた金色の双眸。伏せられてしまった今、何だか寂しく感じるなんて。
日を越えれば元に戻ると、ちゃんと確信もあるのに。こんな感情は勝手で我が儘だと思う。
躯の前に無造作に投げ出された太く鋭い爪を備えた前肢から、射し込む日差しにきらめくふかふかの鬣に視線を移し、三好はちいさく囁いた。
「…静雄さん、に…」
あいたいです
口唇の動きだけで象られた言葉は日溜まりに溶けるだけ。



本当に大変なのは静雄の方であるはずなのに。
いつものように大きな手で触れて、
低く耳に心地よいあの声と言葉を交わしたい。
少しの寂しさが音を立てる胸に自嘲も浮かべ、三好は静かに瞼を降ろした。




・寝る時間ニャ
明日には戻るけど最後にしたい事はなんニャ?



それから夜までの時間は和やかに過ぎた。
食事の際、テーブルに着けない静雄に仕方ないとはいえ器に顔を突っ込む体勢でご飯を食べさせるのは如何なものだろうと考えた三好が手ずからどうぞとお手伝いしてみたり、その「あーん」的行動に何だか葛藤を見せながらも結局静雄は受け入れて間違っても手に噛み付いたりしないよう表に出ないところで凄く神経磨り減らしたり、お風呂はどうするのかとか……細いなことは色々あったりもしたのだが、すっかり陽が沈みきり蛍光灯の明かりの下で寛ぐ頃に至ってはまったりな空気が漂っていた。
気疲れも大きかったのかもしれない、テレビがニュースを流し始めた時にはふらふら船を漕ぎ出した三好。重みを増した瞼がゆっくり上下するもののまともに持ち上がることはなく、瞳は半ば睫毛に隠れている。
静雄は喉奥で苦笑すると三好のシャツに牙の先を引っ掛けて軽く引いた。
ベッドに行って寝ろ、と。促す仕草に三好は目を擦りながら静雄を見つめる。
「しずおさん、は…?」
覚束ない口調の幼さに頭を撫でてやりたくなっても今は叶わないこと。代わりとばかりに尻尾で後輩の手の甲をするりと撫でた後、そのままぺしぺし床を叩く。
人の姿でも望まないまでの頑丈さを持っていたが、自前の毛皮で包まれた躯は床で適当に転がろうと問題はない。
気にしなくていいから、三好は休め。
そんな気持ちは伝わって、けれど二つ返事で頷く気にもなれない三好は視線を落とした。
寝て起きれば静雄の姿は戻っているはず。解決には時間の経過だけが必要で、何か出来ることがある訳ではない。
それでも。
「…傍にいては、だめでしょうか」
訥々と紡がれた言葉に静雄は目を見開き、生真面目な少年の表情を見返して短く唸った。
そんな風に言われては、拒むなんて無理に決まっている――。







カーテンの隙間から漏れ入る幽かな光に白金の毛並みが浮かび上がる。頭部から胸元にかけてを覆うふかふかの鬣は百獣の王と謳われるに相応しい風格さえ湛えた立派なもので、少し伏せられたような両眼は灯が入ったかに見える金色が鮮やかだ。
三好本人は毛布一枚で充分と考えたが、静雄によって運ばれたクッションと布団に埋もれて更に獅子が緩く弧を描くその躯に凭れることを許されたために寒さは欠片も感じない。呼吸するに従って上下する獅子の背に預けた頬に伝わる熱にぼんやりしながら、何度とも手の下の毛並みを撫でた。鬣と違って硬い感触のその下はやはり強靭で引き締まった筋肉を備えている。
うとうとしつつも眠りにつかない三好を窘める響きで静雄が唸った。
今日はバイトもあったし、明日も学校があることを気遣われてるんだろう。でも、何も出来ない分せめて元の姿に戻るまで、と願ってしまう。
ちょっと困った表情の眼と視線を合わせ、三好は霞むような微笑を見せた。
「…もう少しだけ」
薄く細い華奢な手が、凶悪な爪を隠す獣の前肢に重なる。薄明かりに白く浮かぶ肌と、半分夢現を彷徨いかけてるためかとろんとした瞳に静雄は息を呑んだ。
寄り添う体温も、触れる手も優しさの顕れで他意はないと分かっている。
しかし、こうも常になく無防備にされては本能的な欲が頭をもたげて仕方ないのに。
固い骨ごとばりばり噛み砕き飲み込む口には尖った牙。ざらつく舌も獲物を引き裂く爪も、少年の薄い皮膚に触れることを赦さない。
傷付ける可能性を数え上げることで己の衝動を抑えつけ、静雄は盛大にため息を吐くとひたすら早く時間が過ぎることを望んだ――。








耳尻尾が楽し過ぎました(笑)。


お返事など




ええと、今何日なの!?って感じですがお久しぶりです。なんか最近こんな挨拶ばかりで何だかもう、とも思うんですけども。
相変わらずお仕事がんばってる毎日です。おかげでちょっと褒めてもらえたりもしつつ、でもまだまだなのは自分が一番分かってる。早く余裕が欲しいなあ。あとのんびりどっか遠くに行きたいです。今の仕事してたら無理っぽいけども。

それはともかく、しばらくリアルに引きこもってる間にずいぶん寂しいことにもなってるみたいですが……広いようで狭い世界なので、いつかどこかで巡り会うこともあるかもですし、挨拶も出来なかったのは残念ですがご多幸をお祈りいたしてます。
お疲れさまでした。




拍手とコメントいただいてました。ありがとうございます!
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