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こんなところにマイノリティリポート(小説:山女日記)

トムクルーズの映画のことではない。
いまみなとかなえさんの山女日記をよんでいる。
心理描写にリアリティがあって読んでて泣きそうになることがある。
やっぱ女性作家の書く女性像の方が同調しやすいんだよね。
短編のひとつ、白馬岳より一部抜粋すると、
七花への思いをそのまま夫にスライドさせて、別れた後のことを考えた。独身の頃に戻るのではない。寂しさを埋めるために、いくらおいしいものを食べたり、登山や旅行に出かけたり、おもしろい映画や本に出会ったりしても、満足する気持ちと比例するように、それを共有する相手がもういない現実を強く叩きつけられることになる。
離婚とはそういうことなのだ。
抜粋終わり。
この短編では離婚を突き付けられた主婦が主人公なんだけど、離婚も失恋も死別も、あらゆる別れの時に当てはまる心理で胸がつまる思いがする。
別れによって空いた気持ちの穴を埋めようにも、代わりになるものが無いというつらさ。

他にも抜粋すると、お見合いパーティーで出会った2人が山小屋で朝食を食べ終えたところで、火打山より、
「朝とはいえ、やっぱり、火を通したての温かいものがたべたいなあ」
中略
健全な付き合いをしているとはいえ、お見合いパーティーで出会ったのだから、ささいな会話をきっかけに、いきなり核心をついてくる可能性はある。味噌汁を作ってくれ、と言い出す前振りだったらどうしよう。
抜粋終わり。
なーんか、わかる。
付き合ってる相手からこんな事を言われたら最早心中穏やかではいられない!
一緒に楽しく出かけてる時に言われたらもうそこからは何も楽しめず、グルグルと悩んで数日過ごすことになるだろう。

正直私は結婚願望が全くない。しかしそんなことを言ったら相手は離れていってしまうかも、と思う。
相手は結婚願望があるのであればハッキリと言って別れた方が相手のためであろうが、しかしどうして好きな相手とは結婚することが必須になってくるのか。一緒に生きてるだけじゃダメなのだろうかと思っちゃうのよ。
まあ、子供が欲しい人は結婚した方がいいのだろうけど。
それに結婚もいいものとは思うけどね。

こんな考えがマイノリティであることもわかってる。
いい歳になったらキチンと就職して結婚して子供作るのが帝石で、そこから少しでもズレてると責められる。
相手は責めてるつもりがないのかもしれないけど、マイノリティとわかっているから説明して相手に理解させようという気力は湧かない。 子供が嫌いとか言ったらもう女じゃないとか人間じゃないレベルにまで責められるよね。そう言うお前は何様やねん。
ま、言ったことないけど。 

そんなグルグルと悩む心中が女性の方が上手ってか、考えが近いんだろうね。
逆に男性作家の書く女性キャラ(キャラと言わせてもらおう)って、クソめんどくせえヤツが多いよね。
男の人って女をめんどくせえって思ってるんだなぁってしみじみ思うわ。
めんどくさくてギャアギャアうるさくて、アタマが悪い。
よんでると、ああ、男と女って、考え方がこんなにも違うんだなぁーと感じる。
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