2014-4-10 01:26
久々の浮上。
一人感情の濁流に呑まれ
深海の奥底に沈んでいた。
真冬の魚達のように
海底で身を潜めるように。
海底はただひたすらに暗黒が続いていた。
暗闇の中で黒を探しだすように
「答え」が見つからなかった。
久々に水面まで泳いで来れたのは
「もう一つの夢」
のおかげ。
地上の風は心地よく
またこの季節が来たのかと
あれからどれくらいの時がたったのだろうと思い馳せる。
この世界に来てもう五年。
モラトリアムの終わりを憂いだあの春は
遠い昔のよう。
五年。。。
0歳の子も
それなりに歩き、話せるようになる。
四季は五度巡り、街の景色も変わる。
人の波もその色を変え、
慣れ親しんだ建物も雑踏も。
そのカタチを変える。
その腹に大きな腫瘍を抱えた金魚のように、重い体でなんとか泳ぎ、限られた空間を限られた命で泳ぐ。
今の話をしよう
今
今
今俺は
とある一言を言い放った。
「俺との関係を犠牲にして、家族を守れよ。」
その家族を助けるために
今一番の最善は
俺が犠牲になることだ。
ノーリスクで
全てが残る旅なんてない。
俺はもうやるだけのことはした。
だからちょっとくらいは
好きに生きたっていいはずだ。
もう何が愛で
何が情かわからない。
そりゃ夢にもすがる。
幻想にも思い馳せる。
手を伸ばせば触れられる
その夢が。
どこかへ消えてしまわないか。
今はただそれだけが怖い。