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親しい人と戦いに行く


私はホステス、と魔法の言葉を口にしようとしていた。
しかしやめようと思う。


それでも、
今から会う人々に私という等身大を目に写り込ませるのは無理な話なので、
私は今親しい関係にあると感じている職場の人々を前にしても、
戦いを強いられる。

戦いと言ってもケンカはしたくないから、早々と白旗を上げる動作が求められるのだ。


なるべくだるく、日常に輝きを期待しない、
こなれた笑顔を貼り付ける。



けれど、この胸の高鳴りは何?
独りで知らない街に行くときのような、不安の混じった期待の高鳴り。

切って切って切って


大学時代、私を悩ませ続けた院の先輩からメールが来た。


『性懲りもなく、俺です。』



………(´ω`)



うぜぇえええ!
(゜Д゜)カッ



おまえ3ヶ月前くらいに5通は一気にメールしてきたじゃないかよ!
『大学の時は本当にごめんなさい。でも、さくらがいなかったら死んでたかもしれない。もう連絡しません。さよなら』
って書きまくってきたじゃねぇかよ!
しかもその直後間違いメール送ってきたよな!
間違いじゃないだろわざとだろ、
ああああ嫌らしい!


そして、
私は遂に彼を着信・メール拒否にしてしまった。
同じゼミで楽しくやるために必死だったのになぁ。
ゼミとしては仲良くやりたかったのになぁ。

でも、
これ以上彼に関わりを持ち続けるのはいけないと感じた。
私にとっても彼にとっても。



……今日ばかりは、友達にメールを送ろうと思う。
『こんなことになって悲しいよ。すごく悲しい。』
って。



「さくらは悪くないよ」って言ってもらうだけのメール。
そして先輩がちょっぴり悪者になりそうな報告。

バカだわ。



バカだなぁ。


やさしさ

元カレが昨日電話越しに言いました。



「あなたが俺が大好きって抱きついて来ることは一生ないから、そこは求めない。それが俺の優しさです」





不覚にも文句が出せなかった。

私が他の誰かを好きになっても、
未だにこの人とは何となく連絡を取り続けているのは、
理由があるかもしれない。

それは偶然とか甘えじゃなくて、
彼の私に対する肯定かもしれない。


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