必死な人を見ていると、やはり心にくるものはあって

でも、その必死さがどこから来るのか、前向きなものなのか後ろ向きなものなのか

それによって、感じるものもかなり変わってくる


結婚式が終わってからこっち、きょうだい三人ともまともに連絡がつかなくなって

今、彼女はどれだけ気が狂いそうなことだろう

メールも電話も、私は何一つ返さずにいる

怒り狂っても、責め立てても、駄々をこねても

今までと違って、ぱたりと反応が途絶えてしまったのだから

それはとても苦しいし、寂しいし、裏切られた、見捨てられたように感じるだろう


死に物狂いで繋ぎ止めようとしている人、助けてくれと泣き叫んでいる人

無視するのは、中々にくるものがあるね


ごめんね、という気持ちと

ざまあみやがれ、という気持ちと

可哀想なひとだな、という気持ちと


今までの私なら、安心させるためにちゃんと連絡を返していたけれど

もう、それはしちゃいけないんだよな

たった一つでも返したら、全部全部、無駄になっちまうんだ

私たちに、救いを求めてはいけないのだ

そんなんじゃあ、いつまで経っても、彼女はここから抜け出せないままだ

どちらにせよ、死ぬまで抜け出せないのかもしれないけどね

可哀想だな

可哀想だ

なんて可哀想なのだろう

可哀想なひとは、見たくないし、聞きたくないよ

だって彼女には救いが無いんだ

救いがないひとを見ているのは、こっちが死にたくなる

あなたもしあわせになりたいだけなのにね

叶えられなくてごめんね

痛いな、痛いな

痛い、けど、ちゃんと引き受けるのだ

きっと死ぬまでわかってもらえない

きっと死んでも手に入らない

そんなら、せめて、誠実に、潔く


近いうちに自殺未遂とか起こるのだろうなあ

運がわるければ、本当に死んでしまうかもしれないよなあ

ぜんぶぜんぶ、ちゃんと、わかっていたよ。わかっている

一つ駒を動かせば、どう転んで何が起こるかなんて

家族だからね