何年も何年もかかったけれど、
あの時の私が欲しかったものを手に入れた。
あの人を、見つけた。
だから、飛びたくて。
探しても見つからなかったの。
だって、死んでたから。
それに気づくまで自分を騙して上手く立ち回らせて、呪いで、諦めないようにつなぎ止めてた。
けれど、気づいてからは
『春が来て、桜が咲くのにきみがいない
夏が来て、太陽が輝くのにきみがいない
秋も、冬も、季節が巡って世界は回るのに私だけが置いてきぼりで、あなたがいないままで』
なんて、ずっとずっと思って悲しみに暮れてた。
けれど、姿形が変わってはいたけれど
ちゃんと出逢えて。
やり残した惨劇も、半年で終わらせて。
大事に大事に、大切に愛してもらって。
そうしたらね、もうね、
どう立って良いか解らなくなった。
贅沢な悩みだよね。
呪いで立ってたのに愛に変わってハッピーエンド。
そうしたら、手放しで還りたくなった。
ただでさえ、この世界に自分をつなぎ止めるのは難しい。
今この瞬間でさえ、どうしていいかわからないでいる。
結婚する相手が本当にあの子じゃなくて、あの人なのかも解らなくなった。
私ね、ある意味、もう満足しちゃったのかもしれない。
だからね、このまま幸せなまま、死ねないかなって。消えられないかなって。
そう言ったら怒られたけれど。
でもね、私ね、
幸せと絶望を同時に抱えてる今、
もう終わりにしようって、
そう思うんだよ。
ねぇ、愛してくれて、大切にしてくれて、ありがとう。
私、やっぱり、きみのことが大好きだよ。