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人。


混沌とした意識の中、

眩暈と雑音で視界は遮られ、

不鮮明な妄想が私を蝕んでいく。

苦痛と苦悶は表裏一体であり、

其れが生きる上での通過点であるならば、

何故、人の幸福は平等ではないのだろうか。




人は次第にあらゆるモノに汚染されていく。

だからこそ、

綺麗事によって 、

人は浄化されているのだ。

下僕。


貴方の言動は呪文の様で、

幾つかの言葉が自然と繋がれば、

私を聖女にも、

悪女にも変貌させる。



愛しい魔術師は、

拒絶する術を放棄した私を手玉に取り、

妖しい笑みと、

冷酷な視線を投げ掛け、

私は喩えようの無い畏怖と恥辱に塗れ、

恍惚とした表情で貴方を瞳に映す。



私は貴方の、

優越を培う下僕。

傍観者的意識。






嫉妬は怨恨を誘う。




憔悴した己の浅はかな言い訳を其れに擦り付けるかの様に、

無様な責任転嫁を他人に押しつける。


愚かさが私を纏って、貴方を呪縛する。




憧憬と憤怒。



不躾に脳裏に侵食していき、
自我を脆弱な精神へと追い遣り、

それでも、自己を護る為に他人を利用しては、

私を利己的な女にさせる。



穢れたくない。

穢れて欲しい。

貶めたくない。

貶めて欲しい。




私は堕落した、何よりも罪深い生物。

追憶。



呼吸と鼓動が重なる度、

私と貴男の距離は遠退いて、

私は貴男の、

貴男への記憶や愛しさが薄れてしまいそうな、


其の恐怖と云われようの無い焦燥感に戸惑い、

微かに息を殺して、

静かに目を覆う様が目に浮かぶ。



進化と退化をくりかえしながら、

貴男に近づく時を心待ちに、

憎らしくも尊い、


此処に息づいて、


朧気に成り得た貴男の残像を、

私は、宛てなく、追い掛け続けるのだろう。


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