話題:創作小説



 雨が降っている。

 雨粒が幾つもの筋を残し流れていく窓の向こうに見える空には、どんよりとした分厚い雲が掛かっている。
 何となく薄明るい雲を見るに、今は昼なのだろうか。昼夜問わず薄暗い所為か、時間の感覚も少し狂っているように感じる。最後に青空を見たのはいつだったろう。