四月から東北歴史博物館にて開催している医は仁術展に行ってきた。
この仁術展では、江戸時代に日本独自の発展を遂げた医術について当時の書物や巻物、道具等の展示物を通して、その発展を見ていく事が出来る。

展示物はどれも興味深かったが、特に木で作られた精巧な骨格標本や生き人形(精巧な人形で人体模型のように人体模型のように内部が作られている)、腑分け図等は当時の人々が医術や人体について学び、如何に興味を持っていたかが伺い知る事が出来るものだった。
因みにこれに関連するエピソードで、解剖書を目にしたとある医者が夜な夜な刑場に忍び込み、そこらに散らばる骨を拾い集めては自宅でひっそりと研究していていたと云うものがある。
他にも『大宅太郎光国妖怪退治之図』を始めとした浮世絵が数点展示されていたが、中でも骸骨描いたものは骨の形や数が正確に描かれており、解体新書以降に一般に広まった解剖図を参考にしたものとされている。

また此処では世界初公開とされる『杉田玄白の直筆の漢詩』『日本最古の解剖原図』も展示されており、滅多に目にする事が出来ない貴重な資料を硝子越しに見る事が出来た。
見るのは今日が最初で最後になるかも知れないので、自分の中では貴重な経験だと云える。

展示の後半は現代の医についての展示があり、ヒトiPS細胞の固定標本の他、肺癌や心筋梗塞、脳梗塞を模型で見る事が出来、改めて病気の恐ろしさを再認識した。
また此方には3Dプリンターで作られた臓器モデルに触れる事が出来る。
心臓のモデルの触り心地が弾力のある柔らかさで最高だった為、つい揉みしだいてしまったのは此処だけの話。

更に仁術展では鉄拳が製作したオリジナルパラパラ漫画が上映されており、内容は受け継がれていく仁と医者である母親とその娘の物語で、割りと良い話だったと思う。と云うかちょっと涙腺が緩んだ。



展示場を出ると仁術展関連のグッズがお土産として売られており、大腿骨のペンスタンド(重い)や第三頚椎のペンスタンド等の骨グッズや、『腹八分目』『親孝行』『酒は微酔 花は半開』と書かれた湯飲みやTシャツ等のユニークなグッズもあった。
因みに、がしゃ髑髏と云う妖怪が描かれた手拭いを買うか買わないかで散々悩んだ挙句、それを買わずに元々買う気だった飴だけを購入したが、今になって手拭いも買えば良かったと後悔している。