十月と言えばこぞってオレンジ色のかぼちゃ野郎共の飾り付けがスーパーはじめ様々なお店の売り場を占拠する季節ですね。


でもハロウィンって正直、クリスマスやバレンタインに比べたら全然定着してないですよね。


そういう家庭の方針でもない限り、クリスマスを楽しみにしない子供ってまずあんまりいないじゃないですか。

幼稚園でクリスマスの歌は習っても、ハロウィンの歌(そんなものがあるのかは知らない)は習わないじゃないですか。


それからバレンタイン。菓子メーカーの陰謀だの、友チョコだの逆チョコだのそういう積もる話は置いとくとして、実際問題

『2月14日のバレンタインはなんだかんだいって恋愛ごとのイベントである』

ということを知らない女子小学生は、現代の日本にはまずいないですよね。


下手すると就学前の幼稚園児でも『となりのももぐみの○○くんにチョコあげたい』とか『パパチョコあげたからお返しちょうだいね』とか言い出しますよ。

男子側にしたって、それを知ってるからその日一日をそわそわと一喜一憂しながら過ごすわけですよね。


それと比べると、どうしてもハロウィンはそういうメジャーど真ん中な存在にはなれない感があるというか。さすがにどこもかしこも仮装パーティー、みたいな感じにはいかない所あるじゃないですか。

あくまで

アミューズメントパークや雑貨・コスメブランド、製菓やパンなどの会社やソーシャルゲームの会社が乗っかって期間限定のイベントや商品を出す



興味のある消費者が普通に楽しむ


的な。クリスマス商戦という言葉はあっても、ハロウィン商戦という言葉は今後も出てこないかもな、くらいの今ひとつ感。


でもなんかそれもわかる気がします。

もちろん八百万の神の国にキリスト教文化の上っ面だけはギリギリ捩じ込めても、ケルト的なそれは土壌が違いすぎて定着しないとかそういうクソ真面目な話が展開するわけではなく


ほんっとうに、ただ単に、まだこれといった『日本におけるハロウィンの過ごし方』のスタイルが確立していないからというのが本当の所のような気がします。


バレンタインやクリスマスのように、最少二人で過ごせるイベントと違い、子供を仮装させて各家庭をまわり、トリックオアトリート!とやるのは時間も手間もかかるし決して個人やいち家庭でできるイベントではないので、このスタイルはまず日本のハロウィンにはならない気がしているのですがどうでしょう。


どこかの企業が自社商品とからめた何かを提示して、それがうまく流行ったらハロウィンもメジャーになるのかな。


それに日本には既に、お盆という文化がありますしね。

いくらクリスマスも正月も両方祝う、よその宗教も独自スタイルで取り込んで楽しく乗っかっちゃう日本人とはいえ、お盆を二回もやるのはちょっと違うよねー……ということなのかなと。

おまけにハロウィンと日本のお盆は死者の魂に対するスタンスが微妙に違うようなので、ただのイベントごととはいえ躍る阿呆になりにくいのかなと。


日本のお盆において、死者の魂は帰ってくるものであり迎えるものであり、来年もまた来てね的なウェルカムなものじゃないですか。


甦った死者に襲われないように仮装するとか、干し首とかそういう不気味感あふるる概念はないじゃないですか。


死者の側からしたら、夏にねんごろにおもてなししてくれたおうちに秋になってからもう一度行ったら、始めから襲われたり悪戯されるの前提で、ドア開ける瞬間からめっちゃ警戒されてたっていうなんだか傷付く二度目のシャバ。それが日本のハロウィンだったりするんでしょうか。なんかもうよくわかりません。


とにかく何が言いたいって、私の中でのハロウィンの位置付けは毎週のように期間限定で売り出されるかぼちゃの味がするお菓子的な何かを折に触れてはムシャつく、かぼちゃ強化月間であるというただそれだけの話だったんですけどなんでこんなに長くなってしまったんだろう。この一行から上は全部、ただかぼちゃ食ってるよっていう話をするためだけの前フリですからね。