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好きになったということ


こころの底で、もやもやしたものが
こころのココで、ぐるぐるして

おもいでに縛られるのはもうやめようって
涙を拭ったあの藍色の夜

こころの奥で、ふわふわしたものが
こころの色を、塗り替えていく

どんな記憶もわたしとして受け止めていこうって
笑おうとしたあの橙色の朝


「君がいなければ生きていけないよ」
そんなセリフを吐けるはずもなく
ほんとはまだ ちょっとだけ怖がってる
好きになったということ
愛しているということ
いつかぽっかり穴が開いたりしないかなって


わたしの中で、あなたの声が
わたしのままで、いいって言う

やさしくてあたたかくてもう大丈夫って
またわたしは泣いてしまう

泣いてしまう
泣いてしまうよ


「君がいなければ生きていけないよ」
そんなセリフを吐けるはずもなく
ほんとはまだ ちょっとだけ怖がってる
好きになったということ
愛しているということ
いつかぽっかり穴が開いたりしないかなって

でも、もしも、あなたも
同じことを思っていたのなら


「君といる今日を生きていけるんだよ」
そんなセリフなら言えそうな気がする
ほんとはまだ ちょっとだけ恥ずかしいけど
好きになったということ
愛しているということ
いつかすっかり当たり前になったとしても



「君がいる今日をわたし、生きてるんだよ」


ほら 春はもう すぐそこ

ふらふらふら。

 

洒落たレンガの建物がならぶ街路樹を歩く。

決して暖かくはないけど、春の香りをたずさえた風が頬をなでていく。

僕に、行くあてはない。
目的地は特にないんだ。

ただ、思い描いた未来を、
いつかそうなればいいなとは思って抱いてる。


とりあえず
今ここにあるものだけ。

僕が持っているのは、それ以上でも以下でもない。

僕は、僕しか持っていない。

でも もし

「僕しか持っていない僕」を君が好きになってくれたら
それはとっても素敵なことではないかな。

「僕しか持っていない僕」だから、
もっといい僕になれるようがんばれるよ。

すべてを切り離して
残った部分は寂しい部分じゃない。
そこに輝きかあるんじゃないかと僕は思うんだよ。


もちろん 誰にでにも。


夕暮れは今日を連れて帰っていく。
僕は今日の僕を連れて明日の僕になる。





白い猫と、黒い猫


あるところに、いっぴきの猫がいました。

可愛らしい顔をした、ちいさな、白い猫でした。

その猫には好きな猫がいました。
まっ黒い猫でした。

白い猫は言います。
「わたしは、あなたがすき」

黒い猫は言います。
「ぼくは、きみがきらい」


なんども なんども そのやり取りを
繰り返しました。


雨が降っていても、雪が舞っていても
晴れの日も、曇りの日も
春も夏も秋も冬も

白い猫は言います。
「わたしは、あなたがすき」


黒い猫は言います。
「ぼくは、きみがきらい」


なんども なんども 繰り返しました。


ある日、黒い猫は聞きました。
「ぼくのどこがそんなに好きなんだい」と。

白い猫は答えました。「あなたはすてきな色ね」


黒い猫は怒りました。
黒いからだなんて、嫌いでした。
じぶんのことなんて、ぜんぶぜんぶ嫌いでした。





白い猫は言いました。

「わたしは、あなたがすき」






この春、
二匹のあいだに子猫が生まれました。

灰色ではなく
しろくろの子猫でした。


二匹は、白も黒もだいすきになりました。











to you train


曇り空を見上げて 今日も今日が来たと
ため息をついて俯いた
進めば進むほど 今日が逃げてく気がした

イヤホンを伝わる 音が
辛うじて僕の足を支えてる気がした

この電車に乗って乗って
君のいる街まで行けば
簡単に笑えてしまうのになあ

この電車に乗って乗って
僕は君のいない街へと
簡単に行けてしまうんだ



青い空を見上げて 今日も昨日になると
目を伏せても泣けなかった
立ち止まる程に 置いてかれる気がした

僕の胸をゆらす 音が
辛うじてこの耳に届くような気がした

この時間に流されて流されて
君といる時間を通り過ぎて
簡単に笑えてしまうのかなあ

この時間に流されて流されて
僕は君のいない街で
また泣いてしまったんだ


この電車に乗って乗って
君のいる街まで行けば
簡単に笑えてしまうのになあ

この電車に乗って乗って
僕は君のいない街へと
簡単に行けてしまうんだ


どこにでも行ける足があるのに
今君の隣りにいないのはなんでなんだろう

なんとでも言える口があるのに
なんにも言えなくなるのはなんでなんだろう

ここにいない君がいつもここにいるのは
ここでいつも僕の胸をゆらすのは





この電車に乗って乗って
君のいる街まで行けば
簡単に笑えてしまうとしても

この電車に乗って乗って
僕は君のいない街へと
簡単に行ってみせるよ

ここにいない君は いつもここにいるから


ベルは鳴り ドアは開き 僕は踏み出した
相変わらず君を想って 笑っている









なんとなく文章が書きたくなって


僕は、夕暮れ時の
電車が好きだ。

閑散とした風景に
ぽつぽつと人が座っている。

人が居ないところが
空席なのではなく、
空っぽが人と人の間に
座っているように思えた。


空白って 大事だ

僕はそう思う。


ドーナッツの穴は
存在か空白かと
歌っている歌があるけれど、

僕が考えた答えは、
空白が存在するには
存在が存在しなければ
ならないってこと。

ドーナッツを全部食べてしまったら
穴は無くなってしまうってことだ。


何かが無くなったことを知るには
そこに何かがあった事実がなくちゃいけない。

つまり

無くなったことは
あったことの証明だ、と
僕は思う。




ただ、僕の抱える空白は
棘だらけだった。

あったことの証明だと
空白を抱き締めようとして
傷だらけになった。

だけどそこにまた
違う形の幸せが入り込んで
「案外キャパが狭いんだな」って
苦笑いしたんだ。






夕暮れ時の電車の中
僕はそんなことを考えながら
ゆらゆらと揺られた。



車内アナウンスが
僕が降りる駅の名を告げて
重い腰をあげる。


文末にはいつだって
ピリオドを打つものだけど
単語と単語の間に
空白は何度も訪れる


僕は夕暮れ時の電車が好きだ。




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