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白い猫と、黒い猫


あるところに、いっぴきの猫がいました。

可愛らしい顔をした、ちいさな、白い猫でした。

その猫には好きな猫がいました。
まっ黒い猫でした。

白い猫は言います。
「わたしは、あなたがすき」

黒い猫は言います。
「ぼくは、きみがきらい」


なんども なんども そのやり取りを
繰り返しました。


雨が降っていても、雪が舞っていても
晴れの日も、曇りの日も
春も夏も秋も冬も

白い猫は言います。
「わたしは、あなたがすき」


黒い猫は言います。
「ぼくは、きみがきらい」


なんども なんども 繰り返しました。


ある日、黒い猫は聞きました。
「ぼくのどこがそんなに好きなんだい」と。

白い猫は答えました。「あなたはすてきな色ね」


黒い猫は怒りました。
黒いからだなんて、嫌いでした。
じぶんのことなんて、ぜんぶぜんぶ嫌いでした。





白い猫は言いました。

「わたしは、あなたがすき」






この春、
二匹のあいだに子猫が生まれました。

灰色ではなく
しろくろの子猫でした。


二匹は、白も黒もだいすきになりました。











to you train


曇り空を見上げて 今日も今日が来たと
ため息をついて俯いた
進めば進むほど 今日が逃げてく気がした

イヤホンを伝わる 音が
辛うじて僕の足を支えてる気がした

この電車に乗って乗って
君のいる街まで行けば
簡単に笑えてしまうのになあ

この電車に乗って乗って
僕は君のいない街へと
簡単に行けてしまうんだ



青い空を見上げて 今日も昨日になると
目を伏せても泣けなかった
立ち止まる程に 置いてかれる気がした

僕の胸をゆらす 音が
辛うじてこの耳に届くような気がした

この時間に流されて流されて
君といる時間を通り過ぎて
簡単に笑えてしまうのかなあ

この時間に流されて流されて
僕は君のいない街で
また泣いてしまったんだ


この電車に乗って乗って
君のいる街まで行けば
簡単に笑えてしまうのになあ

この電車に乗って乗って
僕は君のいない街へと
簡単に行けてしまうんだ


どこにでも行ける足があるのに
今君の隣りにいないのはなんでなんだろう

なんとでも言える口があるのに
なんにも言えなくなるのはなんでなんだろう

ここにいない君がいつもここにいるのは
ここでいつも僕の胸をゆらすのは





この電車に乗って乗って
君のいる街まで行けば
簡単に笑えてしまうとしても

この電車に乗って乗って
僕は君のいない街へと
簡単に行ってみせるよ

ここにいない君は いつもここにいるから


ベルは鳴り ドアは開き 僕は踏み出した
相変わらず君を想って 笑っている









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