シーヴァーちゃん:悪魔シトリーの力を持つ。見た目美しい系だけど、本人が自覚しすぎて仲間内の評価は低い。普段は鏡を見て過ごしていることが多い。父親の溺愛を受けて育ってきた。

そんなシーヴァーちゃん、父親の溺愛でスポーツは禁止、とにかく傷つかないよう大切に育てられてきた。だからこそ、シーヴァーちゃんは他人の愛し方も、愛され方も、知らない子になっちゃったんだろうなと。「シーヴァーは世界で一番美しい!誰も敵うわけがない!」という父親の言葉が、シーヴァーちゃんと他人を遠ざけた。スポーツとかもできないから、遊びの輪にも入れないしね。それでもシーヴァーちゃんは良かったんだ。自分を宝物のように扱ってくれる父親がいたから。自分は特別なんだってきっと思っていたから。
それが、使いとして父親の元を離れて生きていくことになったら。今まで大切にしてくれた父親はいなくて。誰もシーヴァーちゃんの美しさを褒めてくれなくて。自分のやれることは限られている。シトリーの力を使うことと日常を送るに至っての必要最低限の行動、きっとそれくらいしかないんだろうね。シーヴァーちゃんは父親がいなかったら何もなかった。他人との距離の詰め方も、友達という存在も、何も分からない。分からないことすらシーヴァーちゃんは気付けていない。「世界で一番美しいオレに並べるような奴はいない」って思っている。本当は認めてもらいたくて仕方ないのに。褒められたくて仕方ないのに。褒められるためには自分も相手を認めなければならないってことを知らない。「凡人にはオレの魅力は気付けない」って周りを避けるだけになってしまった。そして、鏡の中の自分だけを見ている。自分を認められるのは自分しかいないから。

シーヴァーちゃんのそういうところを考えると、凄くつらい。シーヴァーちゃんは外の世界を何も知らないままだ。本当は経験しなければならなかった傷つくことを、何一つしないで過ごしてしまったのだから。人に認めれない状況で、初めて得た苦しみさえも、シーヴァーちゃんは気付いていないことにしている。プライドのせいで他人に甘えることもできず、素直にもなれず、シーヴァーちゃんは今日も鏡を見るんだ。「自分を理解出来るのは自分だけ。周りはオレについてくることさえできない」ってね。
結局はシーヴァーちゃんは褒められたいだけのただの子供なんだ。「もっと認めてほしい。褒めてほしい」って周りに心の奥底で思っている。 その言葉が誰かに言えたとき、シーヴァーちゃんのプライドは崩れているだろう。そしたら、その誰かにはシーヴァーちゃんの弱さを分かってあげてほしいし、その上で他人を認めることを教えてあげてほしい。シーヴァーちゃんが、いつか神の元で幸せになれたらいいなあって切に思うよ。きっと、その時のシーヴァーちゃんは、今まで以上に美しいだろうから。

(夜中のテンションによる迷子)