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【腐向け】犬子すとーりー 最終話

俺の下で真っ赤になってそっぽを向いてる子津
ドキドキしているのを抑えながら
俺は子津の腕を押さえてベッドに倒していた
子津がこっちを見た
恥ずかしそうに、でも挑発するように呟く



「……ボクのことそんなに好きなんすか?」



両思いになって手を繋いでキスもして…と
着々と距離を縮めてきた俺と子津
遂に俺等の距離を限りなく零に近付ける日を
今迎えてるんだと思う
薄暗い部屋に2人きり
静かなせいでお互いの息遣いがよく聞こえる
初めてキスをした俺の部屋で次は
“俺と子津が初めてひとつになる”



―――…子津を家に泊めることにして
色々部屋でふざけ合っているうちに
段々心臓の高鳴りが大きくなっていた
最初は手を握ってみるだけだったのに
お互いの頬に口付け合い
それが唇同士になり
そして首筋
そのまま俺は子津に押し倒された



「……!?」



「その、……何かドキドキしちゃって」



勢い余っちゃったんすと呟く子津が愛しくて
俺はそのまま子津を強く抱きしめた
力を込めてその身体を抱くと
そっと腕を背中に回してきた
“俺は子津が欲しい”
その思いが俺の中で大きくなっていく
抱き締めるだけでは足りない
キスでもまだ
子津をもっともっと俺の手に、俺の元に



そして俺は抱きしめた腕をそっと離して
驚いて見つめた子津をさっきとは逆に押し倒した



「いきなりどうしたっすか」



そう言って子津は頬を赤らめて最初に至る…





「俺はお前がそれくらい好きだ…子津」



あまりにも挑発的だったから
耳元で小さく甘く答えてやると
子津は身体を少し動かそうとする
逃げようと思ったのかただ恥ずかしかっただけか
俺には全く分からない
ただ子津の息遣いがよく分かる
俺の息が荒いのも分かる
心臓が壊れそうだ
子津を俺の身体が、心が、欲している



「犬飼くんっ……」



上唇を包むようにキスをしながら
子津との距離を更に縮める
唇だけじゃなくて身体もとことん密着する
これでもかというくらい身体を合わせても
まだ俺の気持ちは治まらない
もっともっと子津に近付きたい
足りない、まだ足りない……



「んん……いぬか、いくん…」



「子津、もっとお前が欲しい……」



子津は既に気持ち良いのか虚ろな目をしている
俺はキスを止めない
何度も何度も子津の唇に自分の唇を合わせた
子津は小さく声を時たま漏らすけど
戸惑ってるように、はたまた気持ち良さそうに
そして恥ずかしそうに、俺から目を逸らしていた



「……っ、い、ぬかいくん…恥ずかしいっす……」



「何でだ?」



「何でって……」



真っ赤になって目を逸らす子津
俺はそんな子津の顔をそっと上げる
そして無抵抗に表れた綺麗な首筋に吸い付く



「あっ……、犬飼く、ん…っ!」



ちらっと子津を見ると恥ずかしそうに口を結んで
これを堪えているみたいだった



「だ、めぇ……っす…ああっ」



「嫌じゃねぇくせに」



ぼそりと呟いてから首筋に歯を立てる
子津の身体が驚いたように震えた



「…っ!そ、んな……っ!」



止まらない、止まらない……っ
子津を求める手が舌が止まることがない
必死にそれを耐える子津が更に欲求を強くする
もう、治まらない……っ!



「あっ、それはダメっすいぬか、いく……んっ!」



俺を制止しようと伸ばした手を右手で掴んで
左手で子津のズボンを下ろす
俺の欲しいものは目前にあった



焦らすように下着の上から撫でて反応を見る
子津はそれから逃げるように身体を動かす
声が出ないように唇に力を入れていたから
それを阻止する為に俺の唇を重ねる



「んんっ…!」



足りない、これだと足りねぇんだ…
俺はもっと子津が欲しい
もう誰にも渡したくない
誰にも触れさせたくない
全部、子津の全てが俺のものに……!



「子津…」



「いぬかいくん…」



唇を離すとじっと何かを訴えるように見てくる
恥ずかしそうに目を力いっぱい閉じた後
もう一度俺にその発情した視線を送る



「ボクも、…も?違うかもっすけど……犬飼くんが、」



心臓が激しく鼓動する
子津の次の言葉を黙って待つ
分かっている気がするけど子津に言ってほしくて



「欲しい」



時が止まったような気がした
この言葉を聞きたかった
もう嬉しくて幸せで
これをどう表せばいいのか分からなくて
頬をぎこちなく緩ませるので精一杯だった



「…犬飼くん」



子津が俺に優しく笑い掛ける



「早く、ボクを、手にして、ください、っす」



俺は頷くと子津の下着を脱がす
そっと頬にキスをしてから耳元に唇を寄せる



「愛してる」



そう言うと子津の中へ
子津が今までで一番大きく身体を動かす
それさえも俺に伝わってくる
今、俺等はひとつだから



「ん、んんっ!犬飼くんっ」



「子、津……っ」



好きになって両思いになって
抱き締めて手を繋いでキスをして距離詰めて
ずっと待ち望んできたこの時が今
夢じゃない、現実になって俺のすぐ隣にある



「ボ、クも…あいして、る…っす……!」



「お前は、俺の…だ…っ、子津……!」





「「あああああっ!!!」」





目前で頬を真っ赤にして荒く息を吐く子津を見て
俺は望みが叶ったんだと実感した……





落ち着いた後に寝ることにした
子津も身体がふらふらすると言いながらも
ゆっくり布団に横になる
俺は子津に近付く



「どうしたっすか?」



「…いや。とりあえずおやすみ子津」



そう言うと笑い掛けてくる
ずっと変わらないあの笑顔だ



「はい、おやすみっす」



そっと背中を向けた子津に俺は抱きつく
力一杯に強く抱き締めると困ったような声がする



「犬飼くん、何っすか…重いっす」



それでも離れないで
俺は黙ったまま抱き締め続ける
何回も重いと子津は俺に言うが聞いてないふり



「……もう、仕方ないっすね…」



暫くするとそう言って大人しくなった
それでも子津を俺は離さない
暖かい身体が俺の腕に収まっている



「すー…」



「ん?」



ふと見ると気持ち良さそうな子津の寝顔があった
本当、こいつ可愛いよな…



俺は子津の寝顔にもう一度軽くキスすると
そのまま子津の横で眠りについた



ずっとこうして過ごせる日を夢見て……


おわり
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【腐向け】ふと思いついた話 ネタバレ注意

※ミスフル文庫本のネタバレあります
※犬子より子犬







======おk?======






子津くんと女装犬飼って良いと 思 わ な い か

女の子に縁ないと思ってる子津くんに
犬飼がちょっと幸せな気分にさせるため女装してデート的な
多分、犬飼きゅんの意志よりは猿野の提案

そしたら犬子ちゃん可愛くて
子津くんが本気でドキドキしてきちゃって
あははーんなことになって…

……ってどうですか?
犬子ちゃんが可愛すぎてふと思いついたんです
自己満足です、すみません
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【腐向け】犬子すとーりー 2話

子津と想いが通じ合って早数日
俺等はうまくやっていた
それで練習を疎かにすることもなく
お互いを意識してやっているし
帰りとかにはいい時間も過ごしてるとは思う
でもしっかりとした2人きりの時間はなかった



今日は職員会議か何とかで部活が休みになった
滅多にない部活の休み
俺は昇降口で子津を待ってみることにした
とりあえず早く来いよ…
その思いが通じたのか子津はすぐに現れた
笑顔でこっちに向かって歩いてくる



「犬飼くん、待っていてくれたんすか」



「…ああ」



俺は先を歩く
子津が可愛く見えてドキドキしてるところを
あまり見られたくはなかったからだ
子津はそれについて来る
俺の心臓が保たなくなりそうなのも知らずに



「今日、部活なくて残念っすねー」



歩きながら子津が話しかけてくる
俺は歩く速度を落として並んでやる



「そう…だな」



「その分、家で自主練習っすね…」



本当にこいつ真面目だなと思いつつ
さっきからずっと思ってることを言うか悩む
こんなこと言ってるし断られるかもしれない
頭の中をフル回転させる



「ん?どうしたんすか、犬飼くん?」



反応がない俺を気にして子津が見てくる
今しかねぇ
そう思って口を開く



「…とりあえず俺の家来るか?」



「へ?」



驚いている子津にもう一度俺は言う



「せっかく部活休みだから俺の家…どうだ?」



暫くの沈黙の後、子津は真っ赤になって頷いた



「……はいっす」



俺がこんなに早く帰ってくるとは
思ってなかったんだろう、家には誰もいなかった
そっちのが俺的に都合がいい
特に姉貴には子津を会わせたくない



「お邪魔しまーす…」



少し緊張した様子の子津がまた可愛い
俺は子津を自分の部屋に通した
子津は周りをキョロキョロと眺めている



「どうした?」



「いや、ここが犬飼くんの部屋なんすね」



そう言って口に微笑を作る子津
何でこいつはこんなに俺の心を乱すんだろう
その笑顔ひとつで、その言葉ひとつで
俺の心臓は冷静を保てない
そんなことを出来るのは…子津だけだ



俺はベッドに座ると子津を呼ぶ
子津が遠慮がちに近付いてくる



「とりあえず隣。座れ」



「は、はいっす」



ふと子津を見ると頬が少し赤く
表情が戸惑ってるのがすぐに分かった
こんなこときっと初めてだろうから
凄く緊張してるらしい
「もっと子津の心も乱したい」
そんな考えが頭に浮かぶ
俺の心が子津に乱されてる分
子津の心も冷静を保てないくらいに
乱して、戸惑わせて、酔わせて



「子津」



「なんすか、っ……!」



予告もなしに子津の唇に自分のを合わせた
俺もドキドキする、そして子津もドキドキしてる
それが嬉しくて幸せで
そっと離れると真っ赤に染まった子津の顔
初めて、だったんだろうな
よく分からなくて頭がついていってないようだ
そんな子津が物凄く可愛くて
もう一度子津の唇に触れる



「んっ…」



もっとそんな子津が見たいと思って
調子に乗って舌を入れることにしてみる



「い、ぬかいくっ、ん…!」



俺の名前を呼んだその隙に舌を口内へ
子津が驚いたのが分かった
と、次の瞬間痛みが俺の舌に走る



「……っ!」



慌てて離れると
恥ずかしそうに口を押さえてる
真っ赤な子津が視界に入る
それよりも痛い
舌が物凄く痛い



「おい、何…しやが…っ」



じわじわと収まらない痛みを堪えながら
真っ赤なままの子津に尋ねる
子津も少し涙で滲んだ目で俺を見てくる



「だって犬飼くんが、そんなことするから…!」



やっぱり我慢出来ないこの痛み
絶対本気でやりやがった
俺は別に何も悪いことはしてねぇっていうのに



「ボク初めてなんすよ!あんまりっすよ!」



「あんまりなのはこっちだ……」



「犬飼くんの自業自得っすよ」



まだ痛いと思いながら口を押さえて子津を見る
嫌われたかと不安に思って近付くと
そっぽを向いたまま子津が小さい声で俺に言う



「…次は優しくしてくださいっす」



何だ、こいつ可愛すぎだろ
俺は噛まれたことを許すことにした
それよりも子津が愛しくて



「俺は子津に酷いことしてねぇよ」



「ははっ、そうっすか?」



そっと触れ合った唇
次こそは子津も大人しくなっていて



とりあえず本当に俺って幸せ者だよな…



おわりてか続く
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【腐向け】犬子すとーりー 1話

あいつが気になったのはすぐだった
俺自身がはっきりと意識したのは最近だけど
もしかしたら初めて見たあの入部試験の時から
俺はあいつが気になってたんじゃねぇかな
同じポジションとかそういうのではなくて
何かきっと惹かれるものがあったんだ

子津…
あいつが好きだと気付いた頃には
俺の気持ちはもう止まらなかった

あいつは物凄く真面目で努力家で
何よりも野球が心から好きなんだろう
それが意識して見ている数日でよく分かった
準備してる時から練習してる姿、
更には片付けまであいつは凄く楽しそうにやる
それが俺には凄く輝いて見えた
あいつの周りは世界がまるで違うようだ

同じ学年ということもあって
あいつと一緒に帰る機会がよくあった
他の野球部の奴等も大抵一緒だけど
あいつの側にいられる、それで嬉しくて
ぼーっと歩いてるふりして
目ではあいつをずっと追ってたりして
辰に話し掛けられても心無い感じの返事で
本当に自分でもどうしたんだって不思議に思う
でもそれだけ子津が好きで
実際は近くに行って色々話してみたいし
あいつの笑顔を間近で見てみたいし
とりあえずもっと仲良くなれたらと思ってる
そんな社交性とか勇気とかが俺にねぇんだけど

「犬飼くん?」

1人で想いに耽っていると俺を呼ぶ声
目の前には今の今まで
俺の脳内をいっぱいにしていた子津の姿

「どうしたんすか、ぼーっとして。みんな先に行っちゃったっすよ」

そう言われて前を見ると
確かに遠くに奴等が見えた
バカ猿とか兎丸辺りが走り出したんだろうか
俺等を待つ様子もあまり見られないので
子津と話せるチャンスなんじゃと思えた

「とりあえずあいつ等はいい。…それよりも子津」

「なんすか?」

不思議そうに見てくるその姿に
俺の心臓がどくんと鳴ったのが分かった
少し目を逸らして言葉を繋げようとしてみる
せっかくの機会だ
子津のこと何か知りたい
…でも何を聞く?
趣味…は入部の時に
…まあ子津はないって言ってたけど
他に何が?何があるんだ?

子津と2人きりという今までなかった機会に
俺はパニックになっていた
何も言わない俺を
こいつが心配そうに見ているのが分かる
俺は意を決して口を開く

「…お前、好きな奴いるのか?」

それを聞くと子津は不意に顔を背けた
そして黙り込んでしまった
別に俺等だって高校生
こんな質問もよっぽどおかしくはねぇと思う
なのに何でさっきまでと雰囲気まで変わって
聞いてなかったかのように振舞うんだ?

「つまんねぇな」

自分がした質問を棚に上げて
いらっときたから溜め息を吐いて言ってみる
するとふてくされた顔で子津が見てきた

「…何だ」

「………ない方が…」

何か言ってるけどよく聞こえない

「あ?」

催促してみると真っ赤な顔の子津と目が合った

「気付かない方が悪いんすよ!」

顔を真っ赤にして子津は俺に向かって叫んできた
え、これってどういう意味だ…?
俺が驚いてる間にも子津は先に進んでいく
俺は子津の腕を思わず掴んだ

「どういう意味だ」

俺に腕を掴まれた子津は俯いている
俺と目を合わすのさえも嫌なようで
さっきよりももっと心臓が激しく鼓動する

「だからボクは……」

上目遣いで俺をそっと見た子津と視線が合う
子津は困ったように視線を逸らした後
息を大きく吐いて次はちゃんと俺を見る

「ボクの好きな人は犬飼くんっすよ!何で最後まで言わせるんすか!気付いてほしかったっす!」

デカイ声でそう一気に言い放った後、
深呼吸を繰り返す子津が愛しくて愛しくて
俺の体が自然に動いていた

「あ、え…犬飼くん……?」

「とりあえずおとなしく抱き締められておけ」

子津は俺の腕の中で戸惑っていたけど
小さく「はいっす」と呟くと少し体を寄せてきて
俺に抱き締められるがままになった

子津の体温が俺に伝わってくる
子津の吐息も感じられて
子津がドキドキしているのも分かった
つまりは子津にも
俺の体温や吐息や鼓動が伝わるんだろうか
これが愛する人間の側にいるってことなのか
なんて暖かくて幸せなことなんだ…

暫く抱きしめた後、
前方から俺等を呼ぶ声がして離れた
仕方なく子津とゆっくり歩き出す
その距離はさっきよりもずっと近くて

「犬飼くん」

「子津?」

「ボクで本当にいいんすか?」

俺はそっと手に力を込めた
暖かいそれが俺のに答えて握り返してくる

「当たり前だろ。てかお前でないとダメだ」

この俺が感じている「暖かさ」は
手から伝わってくるものだけじゃない
子津の存在そのものが心を暖かくしてるんだ…

「えっ……、その、犬飼くん」

俺の世界が暖かくて輝いているのは

「ありがとうっす」



子津の笑顔が隣にあるから

おわり…てか続く
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